渋沢栄一が案内役の「日本橋兜町」街歩きゲーム開発、大成建設の「シン・デジタルツイン」活用:メタバース
平和不動産は、2025年10月7日に東京都中央区日本橋兜町で開業したホテル「キャプション by Hyatt 兜町 東京」を起点とした街歩きゲームを開発した。ホテル内に設置したモニターで体験でき、日本橋兜町の繁栄を築いた渋沢栄一が案内役となり、プレイヤーをエリア内の店舗や名所へ案内する。
平和不動産は2025年9月25日、東京都中央区日本橋兜町で2025年10月7日にオープンしたホテル「キャプション by Hyatt 兜町 東京」を起点とした街歩きゲームを開発したと発表した。
大成建設の次世代まちづくりツール「シン・デジタルツイン」を活用
平和不動産は長期ビジョン「WAY 2040」で「再開発事業の拡大」を成長戦略の一つとして掲げ、「日本橋兜町・茅場町街づくりビジョン 2040」では、街のにぎわいを支える基盤の一つに「DX」を位置付けている。その一環で、日本橋兜町/茅場町エリア一帯を仮想空間に再現するデジタルツイン構築を進め、今回のゲーム開発には2024年6月に資本業務提携を締結した大成建設の次世代まちづくりツール「シン・デジタルツイン」を活用した。
ゲームはホテル内のモニターで体験可能で、ホテルが掲げる「地域とともに街全体でゲストを迎え入れる」というコンセプトを具現化し、街の魅力をデジタルとリアルの両面から楽しめる。仮想空間上では、日本橋兜町の繁栄を築いた渋沢栄一が案内役を務め、プレイヤーを地域内の名所や誘致店舗へ導く。各施設にはチェックポイントを設け、その店ならではのアイテム獲得や実店舗と連携したクリア特典も用意し、街歩き体験とリアル来訪をつなぐ仕掛けだ。
キャプション by Hyatt 兜町 東京は、金融街としての歴史と新しいカルチャーが溶けあう日本橋兜町に位置する“人と人、人と街をつなぐ”セレクトサービスホテル。客室は195室で、機能性と遊び心を兼ね備え、アートを通じて兜町の魅力を表現した。
場所は東京メトロ東西線/日比谷線「茅場町」駅から徒歩1分、東京メトロ銀座線、都営浅草線「日本橋」駅から徒歩2分に位置する。建物の構造と規模は、地上が鉄骨造(一部木造)、地下が鉄筋コンクリート造で、階数は地下1階/地上12階建て、延べ床面積は9977.66平方メートル。設計は三菱地所設計、インテリア設計はオーストラリアメルボルンのMitchell & Eades(ミッチェル アンド イーズ)、施工は大林組で、工期は2023年4月19日〜2025年6月30日。
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