特集
壁走行ロボやMRなど新技術で目指す“インフラ検査革命”「日本のインフラは日本の技術で守る!」:メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025(3/3 ページ)
計測技術サービスは、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025」で最新の鉄筋探査機や開発中の壁走行ロボ、MR探査システムを披露した。さらに新協会の設立を通じ、非破壊検査技術者の育成や検査技術の国際規格づくりにも挑む姿勢を表明し、日本の技術で日本のインフラを守るリーダーシップを鮮明にした。
建築と土木の探査技術をつなぎ、世界へ
今展では、日本インフラキーテクチュア検査技術協会を紹介するコーナーも設けた。2025年4月に設立した一般社団法人で、KGS 代表取締役 清良平(きよしりょうへい)氏が理事長を務める。「インフラキーテクチュア」とは、建築(アーキテクチュア)と土木(インフラストラクチャー)を融合させた新たな概念。
両分野は多くの共通点を持ちながらも、これまで別々の研究者によって発展してきた。その知見や技術を集積/融合し、日本発の国際規格を打ち立てることで、先進国に対するリーダーシップを発揮し、日本経済の発展にも寄与することを目標としている。
具体的な活動としては、非破壊検査分野での業界標準の資格制度を確立し、建築・土木双方で非破壊検査に携わる技術者育成の他、技術討論会などによる交流や技術開発の支援も計画している。
ブース担当者は「日本の探査技術は世界をリードしており、正しく受け継がれるように、当社も協力して教育に力を入れている。やはり日本のインフラの安全は、日本の技術で守りたい。その先には、協会の活動で高度化した技術を世界中のインフラ探査にも役立てるべく発信していきたい」と展望を示した。
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