壁走行ロボやMRなど新技術で目指す“インフラ検査革命”「日本のインフラは日本の技術で守る!」:メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025(2/3 ページ)
計測技術サービスは、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025」で最新の鉄筋探査機や開発中の壁走行ロボ、MR探査システムを披露した。さらに新協会の設立を通じ、非破壊検査技術者の育成や検査技術の国際規格づくりにも挑む姿勢を表明し、日本の技術で日本のインフラを守るリーダーシップを鮮明にした。
「鉄測 EM-01A」は電磁誘導法の鉄筋探査機。電磁誘導方式では唯一の純国産機だ。直感的な操作性でかぶり厚さを高精度に測定できる他、業界最小の小型標準プローブにより壁際や狭い場所でも測定できる。橋梁(きょうりょう)上部や建築物の検査、コア抜きやアンカー位置の確認、耐震診断や施工管理など、幅広い場面で活躍が期待される。
壁走行ロボットとMR探査で、次世代探査技術への挑戦
KGSは、新たな技術開発にも積極的に取り組んでいる。その1つが壁面や天井面を走行しながら検査を行うロボット「iRadar Q-Ro」だ。電力中央研究所と千葉工業大学が共同で開発したコンクリート壁面移動ロボットに、計測技術サービスがADSPIRE01の組み込みを支援して一体化した。
ブースでは壁面を走行するデモンストレーションに来場者が足を止め、その動きに見入る姿が目立った。現在も開発段階にあり、数年後の社会実装を目指しているという。
一方、探査そのものの在り方を変える試みとして披露されたのが、MR(Mixed Reality)を活用した新世代の探査システム「iRadar Vision」。MRゴーグルを装着すると、埋設情報が正確な位置で平面的に表示され、走査ガイドによって測定シートを貼ることなく探査を始められる。3D点群座標上に基準を確定する仕組みを採用し、画像マーカーを用いるARに比べ、より高精度な位置表示が可能だ。
ブース担当者は、「新技術の開発を通じ、日本の探査技術のさらなる進化を目指している」と話した。
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