大林組と共同開発の床版更新向けCIMシステムを一般発売、オフィスケイワン:CIM
オフィスケイワンは、大林組と共同開発した床版更新向けCIMシステム「Qa-Slab」を2026年2月2日から一般販売する。
オフィスケイワンは2025年9月26日、大林組と共同開発した床版更新向けCIMシステム「Qa-Slab(キュアスラブ)」を、2026年2月2日から一般販売すると発表した。
Qa-Slabは、ルールとして登録した設計諸元をもとに、瞬時に割付け案を生成し、3Dモデルとして出力するBIM/CIMシステム。両社は2021年からQa-Slabを共同開発し、既に実工事で基幹システムとして運用している。従来は熟練者が担い、多くの工数を要していた設計業務の効率化と標準化により、高速道路などの大規模更新工事の生産性向上を図る。
Qa-Slabは、新設床版や壁高欄の割付け、既設床版のカット割りに対応。設計ルールを登録し、線形座標を読み込むと複数案の割付けを自動生成し、比較検討後に平面図と3Dモデルを出力できる。
ハンチ形状シミュレーション機能では、許容範囲や鋼製型枠のグルーピング条件を設定し、最適形状を自動的に決定。上フランジ添接板ボルトとの自動取合いも可能だ。また、鋼橋CIMシステム「CIM-GIRDER」との併用により、床版と既設鋼桁の統合モデルを作成できる。
施工計画支援機能では、既設床版のカット割り、ワイヤソー孔やジャッキアップ孔の配置機能を搭載。さらに、橋梁設計で広く利用されている線形計算システム「JIP-LINER」、PC床版設計システム「JSP-6W」とのデータ連携にも対応する。
注文受け付けは2026年1月5日から。価格はQa-Slab単体1ライセンスで年間120万円(税別)。利用にはAutoCADとExcel、ライセンス認証にインターネット環境が必要となる。
オフィスケイワンは、Qa-Slabによる床版形状決定後の工程に必要なPC鋼材や鉄筋の自動配置機能を持つサブシステムの開発も進めており、2026年度中の提供を予定している。
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