高速道路工事の規制管理、IoTと生成AIで効率化 鉄建建設とMODEが実証:製品動向
鉄建建設とMODEは、高速道路リニューアルプロジェクトでIoTと生成AIを活用した実証実験を実施し、規制帯保安設備の位置情報の可視化や規制情報記録の自動化などにより、現場管理の効率化を図った。
鉄建建設は2025年5月13日、MODEと共同で実施した、高速道路リニューアルプロジェクトの車線規制管理の効率化を目的とした実証実験の結果を公表した。
実証では、IoTプラットフォーム「BizStack(ビズスタック)」と生成AIアシスタント「BizStack Assistant」を活用し、現場の各種情報を一元化。これにより、規制帯管理や現場状況確認の効率化、報告業務の負荷軽減などを実現した。
高速道路の床版取替工事は、車線規制を行いながら一般交通を確保する必要がある。工事の安全性と効率化、交通の円滑化、地域社会への影響軽減の観点から、適切な規制帯管理が求められている。
従来、作業当日の規制帯設置の開始/終了時刻の確認は、現場常駐の規制管理者との無線や電話連絡で行われていた。今回の実証では、GPSを用いて規制帯の起点/終点と工事車両出入口の保安設備位置を計測し、BizStack上で一元管理。この結果、規制管理者への問い合わせ回数が減少し、人的負荷が軽減した。さらに、外部サービスで提供される渋滞情報を活用して規制判断を行えるようになったことで、担当者間の意思疎通や発注者からの問い合わせ対応がスムーズになったという。
また、地図上の規制帯の位置情報と現場に設置したカメラの映像を、BizStack Assistantと連携したチャットアプリで呼び出してリアルタイムに確認できるようにした。場所や時間を選ばず現場状況が確認できるようになり、1日当たり60分かかっていた確認時間が3分程度まで短縮した。この他、BizStackに実装した規制履歴の一括出力により、報告業務が省力化された。
今後は、位置情報とカメラ映像をシームレスに確認できるよう利便性向上を図るとともに、現場のニーズに応じてBizStack上で一元化/可視化できるセンシング情報を追加することで、適用範囲の拡大を目指す。
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