施工管理支援アプリ「eYACHO」、4年ぶりのメジャーバージョンアップ 工事写真も計測値も自動で整理:現場管理(2/2 ページ)
MetaMoJiの施工管理支援アプリ「eYACHO」が約4年ぶりにメジャーバージョンアップした。発売10周年の節目となる今回の刷新では、工事写真管理の自動化や計測機器「BLuE」連携、生成AIによるヘルプなどを実装した他、安全AIソリューションを強化。大手から中小企業まで幅広いユーザーのDX推進を後押しする。
安全AIソリューションに「インタラクティブモード」追加
既存機能の改良では、建設現場の安全管理やリスクアセスメントを支援する「安全AIソリューション」が、生成型と厚生労働省の公開データ版を統合してバージョンアップ。作業内容を入力すると、関連する法令や過去の災害事例、社内マニュアルなどを横断的に参照しながら、想定されるリスクと対策案を自動で提示する。新たに自分で参考情報を選んで生成する「インタラクティブモード」を追加し、現場の実情に合わせて検討を深められるようになった。
ビデオ通話機能「GEMBA Talk」はAndroidに対応。iOS版ではUSBカメラの接続が可能となり、配筋の奥など従来は確認が難しかった部分も遠隔で映しながら打ち合が可能になる。
フォルダ管理も権限や同期対象を柔軟に設定できるようになった他、ノートの削除禁止設定にも対応。同期対象を設定することで、大規模利用時の運用負荷軽減と高速化を図った。
加えて、複数ページにわたるデータのレイヤー操作も強化した。一括表示や非表示設定、一括選択が可能になり、大量のページを一気に処理できる。
料金はベーシック版が年額2万8800円(税別)からで、既存ユーザーは追加費用なしでバージョン7へ移行できる。工事写真管理など一部の新機能は年額3万7800円(税別)のスタンダード版以上が対象となる。
MetaMoJiは、今後もeYACHOの進化を加速させる方針だ。BIM/CIMデータ活用や設計部門向け機能の拡充を進める他、工事写真管理の機能の強化、安全AIソリューションのAndroid対応などを予定している。さらに、MetaMoJi CloudのAPIサービス(仮称)を公開して基幹システムからのユーザー追加やシェアノート作成を自動化する仕組みも計画。地方から大手まで幅広いユーザーのDX推進を後押しする。
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