eYACHOにAIによるKY活動支援とテレビ電話の新機能 2024年春リリース:第8回 JAPAN BUILD TOKYO
MetaMoJiが開発した「eYACHO」は、紙の野帳をデジタルに置き換える現場管理アプリ。手書き入力に対応し、図面や工事日報、作業計画といった情報をリアルタイムで共有する。2024年春には、AIによるKY活動支援の「安全AIソリューション」と、手書きメモや音声を共有するテレビ電話「GEMBA Talk」の搭載が予定されている。
MetaMoJi(メタモジ)は、「第8回 JAPAN BUILD TOKYO−建築の先端技術展−」(会期:2023年12月13〜15日、東京ビッグサイト)で、野帳のデジタル版「eYACHO(イーヤチョウ)」に加わった2つの新機能を紹介した。
eYACHOは、紙ベースの野帳を代替するデジタルツールで、MetaMoJiと大林組が共同で開発し、2015年に市場投入した。登場以来、対応OSの拡大や機能拡充などのバージョンアップを行い、最新版では「安全AIソリューション」と「GEMBA Talk(ゲンバトーク)」を実装した。
KY活動の効率化と遠隔コミュニケーションに役立つ2つの機能
新機能のうち、安全AIソリューションは、“KY(危険予知)活動”のリスク分析と対処をAIで支援するものだ。AIが作業内容に応じたリスクを過去の事例からピックアップし、施工手順のリストも自動で作成する。
これまでは、当日の工事内容に応じたリスクを人がピックアップし、対処する作業手順を人の手によって書類でまとめていたが、担当者の大きな負担で、対処法も完璧なものとはいえなかった。安全AIソリューションは、こうした一連のフローをAIが処理するため、負荷が減り、作業の効率化がもたらされる。
GEMBA Talkは、2023年6月に完全子会社化したコトバデザインの「COTOBA Talk」をeYACHOに統合し、低遅延で映像付きのグループ通話を可能にした現場コミュニケーションサービス。参加グループに一斉通知を行い、スマートフォンで緊急対応の検討やちょっとした内容確認など、幅広い現場でのコミュニケーションのニーズに応えらえる。会話中は図面などに書き込みながら、同時に音声でも話し合えば、齟齬の無い打ち合わせや的確な指摘事項の伝達が実現し、定例会議や立会などの遠隔臨場に役立つ。
2つの新機能を搭載したeYACHOの新バージョンは、2024年の春に正式リリース予定だという。
eYACHOの優位性は「書いたメモが瞬時に共有される快適性」
各社から類似のソリューションが発表されている現場管理アプリだが、eYACHOの優位点はスムーズな情報共有にある。ブースで説明にあたるスタッフは、「他のデジタル野帳に比べ、eYACHOは情報のリアルタイム共有機能にアドバンテージがある」と説明する。
リアルタイム共有の「Share(シェア)」機能は、複数の利用者間で図面などを共有すると、誰かが図面上に書いたメモは、他の端末からでもリアルタイムで表示される。事務所と現場など離れた場所にいても、図面や設計図に書き込んだ内容が即反映されるので、 作業間の連絡調整や上長への確認事項などの手間も解消される。さらにGEMBA Talkの音声機能も活用すれば、図面を見ながら、関係者全員での打ち合わせが可能になり、見落としや連絡ミスなどに起因する作業の手戻りも解消される。
なぜeYACHOはリアルタイム共有が可能かといえば、画面上の全情報がサーバを介してやりとりされるのではなく、情報に加えられた差分だけを送受信しているためだ。差分だけなのでデータ量が少なく、その分、快適なレスポンスが得られる。ちなみに、eYACHOでは複数の端末から入力された情報を漏れなくサーバに保存するので、必要であればこれまでの履歴もさかのぼれってトラブルが起きた際の原因究明にも使える。
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