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施工段階のCO2排出量を可視化、200現場超で本格運用開始 鴻池組など:カーボンニュートラル
鴻池組、エムシーディースリー、ゼロボードは建設現場の温室効果ガス排出量可視化システムを共同開発し、2025年4月から本格運用を開始した。
鴻池組は2025年8月25日、エムシーディースリー、ゼロボードと共同開発した建設現場の温室効果ガス(GHG)排出量可視化システムの本格運用を同年4月から開始したと発表した。既に鴻池組の200を超える現場で活用している。
この取り組みでは、エムシーディースリーの施工管理/調整業務の効率化システム「建設サイト・シリーズ」の「ワークサイト」と、ゼロボードのGHG排出量算定/可視化クラウド「Zeroboard」をAPI連携し、施工段階のCO2排出量と削減実績を可視化し、管理できる仕組みを構築した。
2024年秋から鴻池組の複数の建設現場で実証を開始し、現場単位でのGHG排出量を安定的、継続的に管理できる仕組みを確立。従来、現場担当者が半年ごとに実施していた排出量集計業務を日次業務に集約し、重複作業の削減と脱炭素に向けたPDCAの推進が可能となった。
2025年4月から連携機能の正式版を実装し、本格展開を開始。今後は対象現場の拡大に加え、全社的なCO2排出量の一元管理や定期的な削減レポートの作成などにも活用する。
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