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フィルム型ペロブスカイト太陽電池を内窓で利用、臨海副都心で実装検証 YKK AP:カーボンニュートラル
YKK APは、建材一体型太陽光発電の早期社会実装に向け、東京都江東区の「テレコムセンタービル」でフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実装検証を開始した。
YKK APは2025年8月5日、東京都江東区の「テレコムセンタービル」で、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を内窓に用いた建材一体型太陽光発電(BIPV)の実装検証を開始した。
YKK APは、関電工との業務提携を通じ、窓や壁面を活用した建材一体型太陽光発電の開発を進めてきた。今回の検証は、東京都港湾局、東芝エネルギーシステムズ、関電工、東京テレポートセンターとの5者協定に基づき、臨海副都心の既存オフィスビルで実施する。熱線反射ガラス越しでの発電性能や既存オフィスビルへのBIPV内窓の施工方法などを検証する。
検証期間は2026年1月20日まで。室内面積約360平方メートルの区画で実施する。
内窓には、フィルム型ペロブスカイト太陽電池付きのフラップパネルを装着する構造を採用し、ガラス面に直接貼らずに設置する。BIPV内窓は12窓を設置し、期間中に2窓を追加予定。フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、約1100(幅)×約300(高さ)ミリの9枚と約900(幅)×約300(高さ)ミリ1枚、比較用としてフィルム型シリコン太陽電池約1100(幅)×約600(高さ)ミリの2枚、期間内にガラス型ペロブスカイト型2枚を追加する。複数のBIPV内窓を取り付けることで、方位や角度の異なる設置による発電データや、2025年2月のさっぽろ雪まつりの実証実験ハウスで確認した雪面反射光効果の再現方法も検討する。
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