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AIで建物のCO2排出量算定を自動化、ライフサイクル全体で評価 ゴーレムと鴻池組:製品動向
鴻池組とゴーレムは、AIを活用して建物のライフサイクル全体のCO2排出量を算定するシステム「Gorlem CO2」を活用し、CO2排出量算定を自動化する取り組みを開始した。
建設業のDX支援を手掛けるゴーレムは2024年12月19日、鴻池組と共同で、AIを活用して建物のライフサイクル全体のCO2排出量を算定するシステム「Gorlem CO2(ゴーレムシーオーツー)」を活用し、CO2排出量算定を自動化する取り組みを開始したと発表した。
Gorlem CO2は、従来専門的な知識を持つ技術者が手作業で行っていたCO2排出量算定業務を、AIを活用して自動化する。作業時間を大幅に削減するとともに、専門知識がない担当者でもCO2排出量の算定が可能になる。
AIの機械学習には鴻池組が持つノウハウやデータを活用。また、日本建築学会が定める「建物のLCA指針」や各種団体が推進する算定ツールにも対応し、建築主のニーズに合わせた算定結果の提供が可能だ。
両社は今後システムの検証を進め、効率的なCO2排出量算定を試行する。CO2排出量の可視化を進めていくことで、用途、構造、規模の異なる多様な建物のCO2排出量のデータを蓄積し、さらに活用を図る。将来は建物のライフサイクル全体でのCO2排出量削減に向けて、具体的な数値に基づくプランを建築主に提案し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。
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