村野藤吾設計の旧横浜市庁舎行政棟が市の歴史的建造物に認定、2026年春に星野リゾートのホテルへ:プロジェクト
建築家の村野藤吾が設計を手掛けた「旧横浜市庁舎行政棟」が、横浜市の歴史的建造物に認定された。発表によると、戦後建造物では初めてという。庁舎星野リゾートが「新旧融合」をコンセプトに、2026年初の開業を目指し、レガシーホテルへと生まれ変わらせる。
竹中工務店は2025年8月5日、同社と東急、京急電鉄、星野リゾートがホテル事業を進める「旧横浜市庁舎行政棟」が、横浜市認定歴史的建造物に認定されたと発表した。同社発表によると、戦後建造物では初めてだという。
村野藤吾設計のモダニズム建築がレガシーホテルとして2026年春開業
建物物は、建築家の村野藤吾氏が設計したモダニズム建築で、開港100周年記念事業の一環として建設。優れた意匠的特徴を持つとともに、横浜の戦後建造物として高い価値を有する。
2026年春には、星野リゾートが運営する「OMO7横浜 by 星野リゾート」として開業する。客室数276室で、2025年10月より予約受付を開始する。
今回の横浜市認定歴史的建造物に際しては、新旧融合による新たな都市のランドマークが形成され、「地域の歴史を継承し、地域の景観形成上の重要な要素」と評価された。
ホテル改修では、元市民広間の大階段を復元的に再製作し、ホテルロビーの中心に配置。辻晉堂氏による泰山タイル壁画と磁器質タイルは原位置で保存され、カフェスペースとして活用される。また、旧市会棟の本会議場議員席をラウンジやレストランに転用。照明も当時の意匠をモチーフに設計された。
既存の柱や拍子木タイル床の一部も再利用し、佐藤亜土氏の作品も補修、復元して展示。客室の一部には村野氏が設計したガラスブロック壁も採り入れ、オリジナルの設計意図を尊重した空間が広がる。
竹中工務店が改修設計と施工を担当。ホテルのインテリアデザインは成瀬・猪熊建築設計事務所が設計・監修した。
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