仙台に延べ1.2万平方mの高機能賃貸オフィスビルが完成、鹿島建設:プロジェクト
鹿島建設は、宮城県仙台市に地上11階建ての高機能賃貸オフィスビル「NANT仙台南町」を開業した。開発から設計・施工まで鹿島建設が一貫して手がけた。
鹿島建設は2025年8月7日、宮城県仙台市に高機能賃貸オフィスビル「NANT仙台南町」を開業したと発表した。無柱空間による柔軟なレイアウト対応やBCP対策、高い環境性能などが特徴。開発から設計・施工まで鹿島建設が一貫して手がけた。
NANT仙台南町は2025年6月16日に竣工した。地上11階/地下1階建てで、延べ床面積は約1万1657平方メートル。JR仙石線「あおば通」駅から徒歩約4分、JR「仙台」駅西口から徒歩約7分に位置する。構造は地上階がS造(柱はCFT造)、地下がRC造で、付加制震構造を採用している。
基準階は床面積約258坪、天井高さ2.8メートルの無柱空間(一部除く)を実現、OAフロア10センチを確保した。最大5分割まで対応可能で、最小賃貸面積は約21坪と多様なテナントニーズに応える。共用部には自然光を取り込む開口部を設け、屋内階段により上下階の自由な移動も可能とした。
BCP対策では独自の制震技術「ハニカムダンパ」により、地震時の建物の揺れを低減。非常用自家発電設備も備え、停電時には最大72時間の連続稼働が可能。テナント専有部には15VA/平方メートルの非常用電力を無償提供する。セキュリティ面では、基準階の専有部入口での認証とエレベーター不停止制御による2段階のセキュリティシステムを導入した。
環境配慮では、高性能Low-E複層ガラスやLED照明などの省エネ設備を採用。「CASBEE-新築」「CASBEE-スマートウェルネスオフィス」認証で最高ランク「S」を、BELS認証では「ZEB Ready」認証を取得している。
建物周辺の広場整備では、高さ約7.5メートルのピロティ空間に郷土種を中心とした植栽を施した。外装材には岩手県産カラマツ材の端材を活用し、宮城県登米産ヒノキ製のベンチを配置するなど、地域材を活用した地域に開かれた空間とした。
このプロジェクトは仙台市の「せんだい都心再構築プロジェクト」第2号案件に位置付けられており、快適性や環境性能の高いオフィスの整備による都市機能向上、賑わいや交流の創出などへの貢献が期待されている。
(※)本記事は制作段階で生成系AIを利用していますが文責は編集部に帰属します(ITmedia AI倫理ポリシー)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
プロジェクト:浜松町二丁目地区再開発で46階建てタワーマンションが完成 設計・施工は鹿島
東京都港区の浜松町二丁目地区第一種市街地再開発事業で、地上46階建て、総戸数389戸の大規模タワーマンション「WORLD TOWER RESIDENCE」が完成した。新工法:高層建築物の鉄骨梁端部の接合部を合理化した新工法を開発、鹿島建設
鹿島建設は、高層建築物の鉄骨梁端部の接合部を合理化した「鹿島式ストレート梁工法」を開発し、8件の実際の工事に採用した。CFT造柱の柱梁接合部の内部にジベルを溶接して取り付けるもので、水平ハンチの取り付けが不要になる。プロジェクト:新築オフィスビル「日本橋本町M-SQUARE」着工、三井不動産と鹿島建設が開発
三井不動産と鹿島建設は、東京都中央区日本橋で開発するオフィスビル「日本橋本町M-SQUARE」の新築工事に着工した。設計・施工は鹿島建設。2025年11月の竣工を予定している。脱炭素:鹿島と東北大が「環境配慮型建材」の研究所を開設 CO2排出量を削減する新材料の開発促進
鹿島建設と東北大学は、インフラストラクチャの建設段階のCO2排出量削減を目的に、環境配慮型建設材料を開発する研究所を、宮城県仙台市の東北大キャンパス内に開設した。CO2の排出量低減や吸収/固定化材料の実用化に加え、環境配慮型建設材料の安定供給を目指す。プロジェクト:鹿島、札幌の4丁目プラザ跡地にオフィス商業複合ビル本格着工
鹿島は、札幌市中央区南1条西4丁目にて開発を進めている「(仮称)札幌4丁目プロジェクト新築計画」に本格着工した。地上13階・地下2階建、延床面積約5700坪のオフィス商業複合ビルを建設する。産業動向:CO2のコンクリート固定化プロジェクトなどのコンソーシアムを「CUCO」に命名、鹿島と竹中など
鹿島建設、デンカ、竹中工務店は、CO2のコンクリート固定化プロジェクトなどを進める55社のコンソーシアムの総称を「CUCO」に決定し、Webページを開設した。