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築約40年の既存建物でガラス型ペロブスカイト太陽電池の導入実証 YKK APと静岡県:カーボンニュートラル
YKK APと静岡県は、1986年に建設された静岡市内の多目的施設「清水マリンビル」で、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の導入実証を開始した。会議室の内窓に太陽電池を設置し、約10カ月にわたって連続使用下での耐久性などを検証する。
YKK APは2025年6月18日、静岡県と共同で、1986年に建設された多目的施設「清水マリンビル」においてガラス型ペロブスカイト太陽電池の導入実証を開始したと発表した。既存建物への普及に向けた工法を検討するため会議室の内窓に太陽電池を設置し、2025年6月2日〜2026年3月31日までの約10カ月間、連続使用下での耐久性などを検証する。
ガラス型ペロブスカイト太陽電池を約10カ月間連続使用
YKK APは今回、県との業務委託契約に基づき、静岡市の清水港日の出埠頭に建つ清水マリンビルに、600×1200ミリのガラス型ペロブスカイト太陽電池2枚をモデル的に設置した。発電した電力は実証テスト用のLED照明の点灯に使用する。実証で得られた成果は県内に還元し、ペロブスカイト太陽電池の普及や県内企業の関連ビジネスへの参入促進のために活用する。
県は2025年5月28日〜6月13日の期間、静岡県庁東館2階に事業内容を説明するパネルや実証装置の透過率サンプルを展示し、市民への広報活動を実施した。
YKK APは今後も「窓で断熱」による省エネルギーに加えて、「窓で発電」による創エネルギーの取り組みを通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献していくとした。
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