住友林業子会社、住宅資材の配送効率化サービスを関西に拡大 配送便約6割、配送コスト約1割減:ロジスティクス
住友林業グループのホームエコ・ロジスティクスは、建築現場の配送効率化サービス「JUCORE物流」の提供を、関西京阪神地区でも開始した。
住友林業100%子会社のホームエコ・ロジスティクスは8月1日から、首都圏で展開する建築現場の配送効率化サービス「JUCORE(ジュコア) 物流」の提供を、関西京阪神地区でも開始した。主に戸建住宅や集合住宅を対象に住宅資材を共同配送することで、配送リソースの最適化やコスト軽減による建材物流の最適化を目指す。
戸建住宅を建設する際の部材/部品数は1万点を超えるといわれ、物流量も2トントラック40〜60台に上る。従来は各建材メーカーが納品現場にそれぞれ資材を配送していたため、荷受け負担が常態化し、工期にも影響していた。JUCORE 物流は配送センターに住宅資材を集約して共同配送することで、従来と比較して配送便を約60%削減、配送コストも約10%削減する。2024年1月から首都圏1都3県を対象に運用を開始し、今回、関西京阪神地区にも拡大した。
配送センターは2025年7月末時点で首都圏の11カ所、関西京阪地区の2カ所の計13カ所に設置。輸送距離を短くするため半径10〜20キロの範囲内に配置し、納品現場への配送時間の短縮や急な資材変更、追加配送などのニーズに対応しながら、トラックの稼働率を向上させる。
また、建材流通に関する独自のノウハウを生かした配送案件管理システムも構築。納品現場情報の一元管理や物流データの分析、各種データベースから得られる情報などから、建設工程に即した最適な物流計画を提供する。将来は工程管理アプリとの連携により、建設現場の進捗に即した柔軟な配送計画の実現を目指している。
ホームエコ・ロジスティクスは今後、2030年までに三大都市圏と福岡県へのサービス拡大を計画。建材メーカーから配送センターへの長距離輸送を担う幹線輸送サービスの展開も視野に入れている。商物分離、物流網の小半径、高積載、高回転をコンセプトに、持続可能で効率的な建材物流の構築を目指す。
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