半導体物流の需要が高い熊本県菊池市で、延べ1.8万m2物流施設が着工 松尾組JVが施工:ロジスティクス
台湾のTSMCなど半導体関連企業が多く進出する熊本県菊池市で、日本GLPが計画している先進的物流施設が着工した。設計・施工は松尾組・大高建設JVで、2026年9月末の竣工を目指す。
アレス・マネジメント・コーポレーション(ARES)傘下の日本GLPは2025年7月4日、熊本県菊池市で先進的物流施設「GLP 熊本菊池」の新築工事に着工し、起工式を執り行った。設計・施工は松尾組・大高建設JVで、2026年9月末の竣工を予定している。
半導体関連の倉庫として需要をすくい取る先進的物流施設
GLP 熊本菊池は、地上2階建て延べ床面積は約1万8000平方メートルのボックス型施設で、1社で占有的に施設を利用できるシングルテナントを想定している。庫内は2層使いで、1階には10トントラック19台分、4トントラック29台分が接車できる片面バースとし、垂直搬送機2台と荷物用エレベーター2台も設置することで効率的な物流オペレーションが実現する。
全館空調設備も導入し、温度管理が必要な精密機器関連などのニーズにも対応する。また、従業員用の休憩スペースや豊富な駐車スペースを整備し、従業員に快適な就労環境も提供する。
GLP 熊本菊池の所在地は熊本県菊池市旭志川辺字下蛙で、半導体の製造企業などが集結するセミコンテクノパークの近隣に位置する。地域では半導体関連の原材料、部品や完成品を保管するための先進的物流施設への需要が高まっており、そうした企業からの需要に応えられる社会的重要度の高い施設となる。
国道325号線沿いに位置し、新設される自動車専用道路大津熊本道路「大津西IC(仮称)」から約2.8キロ。JASMなどの半導体関連工場からは車で10分圏内のため、各工場へジャストインタイムで納品できる。周辺地域では半導体関連産業の拡大に伴いインフラが整備され、人口も増加し、半導体や関連部品などの工業製品に加え、日用雑貨などの流通や保管のニーズも高まると予想されている。
日本GLP 代表取締役社長 帖佐義之氏は「GLP 熊本菊池の開発発表後、半導体関連企業など多くの企業から問い合わせが寄せられている。熊本県内では半導体関連企業の進出やインフラ整備が進み、今後も経済成長と人口増加が見込まれ、当社はこうした需要に応えていく」とコメントしている。
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