ニュース
「建設と通信の現場に、女性の力を」奥村組とNTTフィールドテクノが女性活躍推進で意見交換:産業動向(4/4 ページ)
女性技術者が現場で輝く時代へ――。通信と建設という異なる業界で共通する課題に向き合いながら、それぞれの現場改善に取り組んできたNTTフィールドテクノと奥村組。両社はこれまでの成果報告と意見を交わす場を設けた。社内制度の整備にとどまらず、風土づくりや現場改革に力を注ぐ姿は、建設業界にとって女性活躍の現場をどう作るか示唆に富む内容となった。
女性活躍に向き合う企業姿勢は、採用ブランディングにも積極的に活用し、奥村組の担当者は「企業CMに俳優の森川葵さんを新米女子社員“奥村くみ”役として起用することで、建設業で働く等身大のロールモデル像が学生に響いている」と紹介した。
「建設=男性の仕事」という固定観念をどう変えていくかについて、奥村組の担当者は「“かっこいい”という価値を再定義し、新3K(給料、休暇、希望)+K(かっこいい)で、業界の魅力を伝えていきたい」と展望を明かした。
“現場”という共通項 異業種間の共鳴
両社に共通する課題や視点として、「現場の変化は、制度よりも人の意識から生まれる」という点が繰り返し語られた。他社と連携することで気付けたこと、自社内では見えにくかった課題が対話によって鮮明になることも多い。「女性でもできる」ではなく、「女性だからこそできることがある」という視点が、両社の活動からは浮かび上がった。現場の魅力と誇りを、誰もが感じられる未来へ──今回の意見交換会は、その第一歩となる機会となった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
BIM×FMで本格化する建設生産プロセス変革(4):東急コミュニティー技術研修センター「NOTIA」を舞台としたBIM-FMプラットフォーム構築【BIM×FM第4回】
本連載では、FMとデジタル情報に軸足を置き、建物/施設の運営や維持管理分野でのデジタル情報の活用について、JFMAの「BIM・FM研究部会」に所属する部会員が交代で執筆していく。今回は、東急コミュニティーで建物管理技術全般の研究/開発に携わってきた筆者が、技術研修センター「NOTIA」を舞台に2度にわたり挑戦したBIMをFM領域で2次活用し、BIM-FMプラットフォームを構築する試みを紹介する。「従業員エンゲージメント」を高め、建設2024年問題を乗り越える(1):建設業の2024年問題、解決の鍵は「従業員エンゲージメント」向上にあり【新連載】
建設業では高齢化や労働人口の減少に伴う人材不足で長時間労働が常態化しており、いかに労働環境を是正するかが課題となっている。しかし、やり方を間違えてしまうと、本社と現場の間に大きな溝が生まれるリスクがある。本連載では、リンクアンドモチベーションの組織人事コンサルタント山本健太氏が、建設2024年問題の解決策として、会社と従業員の間をつなぐ「エンゲージメント」の関係性を明らかにしながら、エンゲージメント向上に向けた具体的なポイントを解説していく。産業動向:中小建設事業者のDX導入支援を拡充へ 岸田首相が有識者会議で指示
政府は首相官邸で「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」を開催した。会合には建設テック事業者を中心とした6社から成る建設DX研究所が出席し、中小建設事業者へのDX導入支援などについて訴えた。岸田文雄首相は会合での議論を踏まえ、人手不足の解消に効果のあるIoTやロボットなどの汎用製品の導入を支援する「中小企業省力化投資補助事業」について、建設DX関連の製品も追加するよう国土交通省などに指示した。xR:過疎化の進む郊外の団地をデジタル技術で活性化、大和ハウス工業が実証実験
大和ハウス工業は、過疎化が進む郊外型住宅団地で、空間拡張システムを用いたコミュニティー活性化に関する実証実験を開始した。リラックス効果のある映像/音響の共有体験や、遠隔地の食や文化などの魅力を一緒に疑似体験できる機会を住民に提供する。産業動向:週休2日工事など「入札適正化」の状況を地図で表示、国交省がポータルサイト開設
国土交通省は、地方公共団体の入札契約適正化に向けた取り組み状況を網羅するポータルサイト「入契適正化マップ」を開設した。メタバース:静岡県を“丸ごとスキャン”した3次元点群データで、メタバース空間「Metaverse SHIZUOKA」を構築
リプロネクストは、静岡県が県土を丸ごとスキャンした3次元点群データ「VIRTUAL SHIZUOKA」をもとに、メタバース空間「Metaverse SHIZUOKA」を構築した。県の交通基盤部 建設政策課 未来まちづくり室では、身体的/物理的な制約を超えた県の広聴活動や広報活動を行う、県内外の人々との交流拠点と位置付けている。