切羽作業の無人化に前進、鋼製支保工の自動建込み技術を適用 熊谷組:山岳トンネル工事
熊谷組は、山岳トンネル切羽作業の無人化/遠隔化に向けて、イタリアのMACCAFERRIが開発した鋼製支保工の自動建込み技術「AUTOMATED TUNNEL RIBS」を使用した試験施工を行った。作業員が切羽近傍に立ち入ることなく、既存機械を使用した鋼製支保工の建込み作業ができることを確認した。
熊谷組は2025年7月2日、岡三リビック、伊藤忠丸紅住商テクノスチールと共同で、イタリアのMACCAFERRIが開発した鋼製支保工の自動建込み技術「AUTOMATED TUNNEL RIBS」を使用した試験施工を実施したと発表した。
山岳トンネル切羽作業の無人化へ向けた取り組みの一環として行ったもので、試験施工の結果、作業員が切羽近傍に立ち入ることなく、既存機械を使用した鋼製支保工の建込み作業ができることを確認。今後は本格導入に向けて最適化を進め、山岳トンネル工事の安全性向上と省力化を図る。
山岳トンネル工事は機械化が進む一方、切羽直近での支保工設置作業では、位置合わせや金網設置などで作業員がトンネル奥深くに立ち入る必要があり、工程の機械化や遠隔化が求められていた。
AUTOMATED TUNNEL RIBSは、ヒンジ機構により折り畳み可能な上下半一体型の鋼製支保工とインバートストラットで構成。専用機械を用いることで、既設の支保工との接続や高さ調整を含めた一連の建込み作業を自動で行える。
実証試験では既存トンネルの切羽後方部で、エレクタ付き吹付機によって、上/下半支保工からインバートストラットまでの一連の鋼製支保工の建込み作業を実施。既存機械との互換性や施工性を検証し、良好な結果が得られた。
熊谷組は今回の成果を踏まえ、今後は実施工現場への導入を視野に入れ、機械構成や施工手順の最適化を図る方針だ。
(※)本記事は制作段階で生成系AIを利用していますが文責は編集部に帰属します(ITmedia AI倫理ポリシー)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
カーボンニュートラル:建設現場で燃料由来のCO2排出量データを一元管理、ゼネコン17社や燃料配送事業者17社が参加
リバスタは、建設現場で用いる燃料由来のCO2排出量データを効率的に管理する実証実験を全国9エリアに拡大した。元請会社17社に加え、燃料配送事業者17社が参加している。スマートコンストラクション:トンネル補修のパネル設置を機械化する把持装置を開発、熊谷組
熊谷組とアクティオは、トンネルの補強や保護に用いるダクタル板向けの把持装置を開発した。汎用クレーンにバキューム式吸着器を組み合わせ、トンネル全周にわたって機械でダクタル板を設置できる。カーボンニュートラル:CO2排出を最大7割削減する環境配慮型コンクリ、五洋建設など13社が開発
BFCCU研究会は、セメント代替として高炉スラグ微粉末を使用した環境配慮型コンクリート「CELBIC」に再生骨材を組み合わせた「CELBIC-RA」を開発した。製品動向:現場管理業務を5割減、コッター床版工法の品質管理システム「KIS-C」を外部提供 熊谷組
熊谷組は、コッター床版工法向けの品質管理システム「KIS-C」の外部提供を開始する。KIS-Cは橋梁7現場で導入され、現場管理業務を50%削減した実績がある。i-Construction 2.0:トンネル外の安全な場所から切羽発破に成功、“触る感覚”を再現する技術で火薬装填を遠隔化 大林組
大林組は、山岳トンネルの切羽の火薬装填作業を遠隔化/自動化する「自動火薬装填システム」を適用し、トンネル外の安全な場所から遠隔で実火薬を装填、発破することに成功した。2024年12月2日、都内で記者発表会を開き、成果を報告した。製品動向:高速道路更新工事向けの「スライドジョイント壁高欄」を開発、熊谷組
熊谷組はベルテクスと共同で、高速道路特定更新工事に適用可能なプレキャスト壁高欄を開発した。