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高速道路に光ファイバー敷設、自動運転支援技術を検証 鹿島建設とSUBARU:産業動向
鹿島建設とSUBARUは、大阪府内の高速道路で、光ファイバーセンシング技術を用いた路車協調型自動運転の実証実験を開始した。
鹿島建設とSUBARUは2025年6月24日、大阪市の協力のもと、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場へのアクセス道路として使用される阪神高速道路 淀川左岸線(2期)海老江区間で、光ファイバーセンシング技術を用いた路車協調型自動運転の実証実験を開始したと発表した。
実証実験は2024年12月から実施。アスファルト舗装内部に光ファイバーセンサーケーブルを敷設してシャトルバスや実験車両を走行させ、走行荷重による振動やひずみを検知/計測し、道路モニタリングを行う。得られた情報をリアルタイムで自動運転車両と共有することで、車両位置の検出が困難なトンネル内での合流をユースケースに、路車協調型自動運転の有効性を検証する。
鹿島とSUBARUは2024年9月から、鹿島建設の光ファイバーセンシングと、SUBARU技術研究所の協調型自動運転の技術を活用した路車協調型自動運転の共同研究を実施した。北海道美深町の「スバル研究実験センター美深試験場」の高速道路を模した周回コースを使って、厳冬期環境下に走行テストを実施した。
路車協調型自動運転とは、自動運転車両と道路インフラ、周辺を走行する車両、サーバなどの間で情報を通信することで、自動運転車両の走行を支援するシステムを指す。実現には、道路側からの低遅延で正確なデータ通信が求められる。
両社によると、テストコースや高速道路で光ファイバーセンシング技術を用いた路車協調型自動運転の実証実験を行うのは、国内初の取り組みだという。
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