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Starlink Mini活用、900キロの遠隔地から建機2台を同時操縦 HDカメラ映像を低遅延伝送i-Construction 2.0

ハイテクインター、ジツタ中国、土木研究所は、約900キロ離れた拠点間での建設機械の遠隔操縦に成功した。10台のハイビジョンカメラ映像を超低遅延伝送に対応したエンコーダで圧縮し、1台のStarlink Miniを用いて送信。2台の建設機械を同時操縦した。

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 ハイテクインターは2025年6月23日、ジツタ中国、土木研究所と共同で、約900キロ離れた拠点間で建設機械の遠隔操縦に成功したと発表した。

 実証実験では10台のハイビジョンカメラ映像を超低遅延で伝送可能なエンコーダーを用いて圧縮し、Starlink Mini1台を使用して伝送。2台の建設機械を同時操縦した。山間部や災害現場など通信が困難な地域でも、複数の建機を効率的に遠隔施工できる可能性を示した。


実証実験の構成 出典:ハイテクインタープレスリリース

 実証実験は2025年6月12日、茨城県つくば市の「つくば建設DX実験フィールド」と北海道沼田町の「ハイテクインター北海道開発テストセンター」間で行われた。

 つくば建設DX実験フィールドでは、2台の建機にそれぞれ4台のハイビジョンカメラを搭載。映像はジツタ中国が製品化した、フルハイビジョンカメラ4台を同時にエンコードできる「LVRC-4000」で圧縮処理した。加えて、現場を俯瞰するハイビジョンカメラ2台(高圧縮映像伝送カメラ「HIC-SP200TX32A」)も設置。計10台のカメラ映像は、ハイテクインターが開発した「コンパクト型ローカル5Gプラットフォーム」でローカル5Gに接続し、Starlink Miniを介して北海道開発テストセンターまで映像と建機の制御信号を伝送した。

 北海道では各建機の映像と俯瞰カメラ映像をもとにオペレーターが建機を操縦した。遠隔地からでも1台のStarlink Miniで効率的かつ低コストに2台の建機を操縦できると確認した。

 実証は国土交通省のSBIR(中小企業イノベーション創出推進事業)建設技術研究開発助成制度の委託を受けて実施した。


つくば建設DX実験フィールド(左)、北海道開発テストセンター(中央)、LVRC-4000(右) 出典:ハイテクインタープレスリリース

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