原状回復が不要なセットアップオフィスを整備 東京建物の「T-PLUS名駅」が着工:プロジェクト
東京建物は、JR「名古屋」駅につながる地下街から2分の位置で、12階建てオフィスビルを開発する。オフィスフロアの一部に、初期投資を抑えて即入居でき、原状回復工事も不要なセットアップオフィスを整備し、企業の柔軟なニーズに応える。
東京建物は2025年5月12日、愛知県名古屋市中村区で中規模オフィス「T-PLUS名駅(ティープラスメイエキ)」に着工した。東京建物による名古屋市での新規オフィス開発は、2009年竣工の名古屋プライムセントラルタワー以来、16年振りとなる。
初期投資を抑えて即入居が可能なセットアップオフィスを提供
建物規模はS造地上12階建て、延べ床面積約6544平方メートル。奥村組の設計・施工で2027年2月の完成を見込む。
1階は店舗、2階以上がオフィスの構成で、1フロア約468平方メートルのオフィスフロアは最大4区画まで分割できる。事務所の全11フロアのうち一部で、東京建物が展開する中規模オフィスブランド「T-PLUS」としては初となるセットアップオフィス区画を導入。リモートワークやハイブリッドワークなど、近年定着しつつある新しいワークスタイルを見据えたレイアウトやデザインの提案により、多様な企業のワーカーが働きやすいオフィス環境を提供する。
近年、内装工事費の高騰や工事業者の人手不足による工事スケジュール遅延は、企業がオフィスへ入居する際の大きな障壁となっている。そのため、内装費用などの初期投資を抑えながら短期での入退去が可能なセットアップオフィス区画を設けることで、企業の柔軟なオフィス戦略を支援する。退去時の原状回復工事も不要なため、退去時のコスト削減となるだけでなく、廃棄物の削減で循環型社会の実現にも貢献する。
計画地の地名地番は、愛知県名古屋市中村区名駅南一丁目1815他。JR線/東海道新幹線「名古屋」駅から徒歩8分、「名古屋」駅につながる地下街出入口からは徒歩2分に位置する。名駅エリアは名古屋でのビジネスの中心地で、地元企業だけでなく、拡張移転などを見込むスタートアップ企業や大手企業の支店のニーズも強いエリア。
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