小田急の2025年度鉄道投資は436億円 鶴川と藤沢の駅舎改修、橋梁などの耐震補強:2025年度建設計画(2/2 ページ)
小田急電鉄は、2025年度の鉄道事業設備投資に436億円を投じる。世田谷代田〜登戸駅間の高架橋や4駅のホーム上家などで耐震補強に着手する他、2024年度の豪雨で崩れた東海大学前〜秦野駅間の法面補強などを実施する。駅改良では鶴川駅と藤沢駅で、橋上化に向けた基礎工事に着手する。
ホテル業で新宿や箱根でリニューアル、累計360億円を投資
2026年度までの中期経営計画のうち、不動産業では2024年3月に着工した新宿駅西口地区開発計画でハイグレードなオフィスや新たな体験を実現する商業施設、顧客起点のビジネス創発などの機能導入で収益最大化を図る。新宿駅西口地区開発計画は、小田急電鉄分の投資額は約1300億円で2029年度の竣工予定。
ホテル業では新宿や箱根周辺地域を中心に、既存ホテルのリニューアルや新規ホテルの開発を進め、旺盛なインバウンド需要を取り込み、2030年度までに累計360億円を投じ、営業利益で2024年度の24億円から50億円への達成を目指す。
具体的には、2025年12月に開業する「RETONA HAKONE(旧箱根レイクホテル)」、2027年度オープンの「箱根ハイランドホテル」、2028年度完成予定の「小田急ホテルセンチュリーサザンタワー」でリニューアルを実施する。
他に、大涌谷駅で新展望エリア「ちきゅうの谷」のオープン、元箱根港と海賊船「ビクトリー」のリニューアルなどで箱根の各施設の魅力向上につなげ、新型特急ロマンスカーの導入に向けた検討を続ける。
交通業では、投資額は2025年度に436億円、2026年度に604億円を見込む。施策では、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用したホームドア整備や耐震補強工事、大野総合車両所の移転をはじめとした大規模設備更新を行う。また、労働人口の減少を見据え、ワンマン運転の導入や駅業務の省力化などで2035年度に2020年度比で要員30%を削減する。
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