京急電鉄の2025年度設備投資、370億円で品川駅地平化や泉岳寺駅改良:2025年度建設計画(2/2 ページ)
京急電鉄は2025年度の鉄道事業設備投資で、総額約370億円を投じ、品川駅付近の連続立体交差や泉岳寺駅のホーム拡幅、羽田空港第1〜2ターミナル駅の引上線新設、ホームドア設置などに着手する。
神奈川新町駅と花月総持寺駅で駅リニューアル
ユニバーサルで快適な輸送サービスの提供には約131億円を投じ、駅改良工事やホームドア設置などに着手。「神奈川新町」駅は大規模改良工事に着手し、エレベーターやエスカレーターの新設と併せ、道路との接続歩道橋なども整備。「花月総持寺」駅は橋上駅舎の耐震補強工事と同時に駅舎リニューアル、旅客用トイレの新設などを行う。
ホームドアは、2024年度末までに17駅で完了し、2025〜2028年度は計24駅で設置する。
環境負荷低減は約10億円で、2025年度は「立会川」駅など10駅のホームまたはコンコースの照明設備、28両の車両照明設備LED化工事を実施する。
また、駅のエレベーターやエスカレーターのリニューアル以外に、「回生電力貯蔵装置」をフライホイールから、より省エネ/CO2排出量の削減効果が期待できる蓄電池設備に変更する。回生電力貯蔵装置は、電車がブレーキをかけた時に発生する電力(回生電力)を電車線から蓄電池へ充電し、加速時に電車線に放電することで有効に利用できる装置。
羽田空港の第1〜2ターミナル駅引上線新設と泉岳寺駅改良
将来の成長に向けた投資では約43億円を掛け、羽田空港アクセスのさらなる輸送力増強、利便性向上を図るため、国土交通省と当社で相互に協力して羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線の新設および駅改良工事を進める。
「泉岳寺」駅と品川駅北周辺地区は将来の駅周辺地域の開発による交流人口の飛躍的な増加が見込まれている。そのため、泉岳寺駅ホームの5メートルから10メートルへの拡幅とコンコース拡張、昇降施設、出入口などを機能強化し、駅の利便性、安全性の向上やバリアフリー化に取り組む。改良工事は、駅隣接街区で東京都が施行する市街地再開発事業と連携して進める。
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