大手50社の24年度受注総額は18兆9558億円 民間が8.9%増でけん引、公共は減少:産業動向
国土交通省によると、大手50社が2024年度に受注した建設工事の総額は前年度比5.3%増の18兆9558億円となり、4年連続で増加した。
国土交通省は2025年4月30日、2024年度の建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)結果を公表した。建設工事受注総額は18兆9558億円(前年度比5.3%増加)で4年連続のプラスとなった。国内受注は18兆3169億円(同5.6%増)で5年連続増加した。
民間は製造業/サービス業が2桁増 公共は国、地方ともマイナス
国内発注者別では民間工事が13兆6457億円(前年度比8.9%増)となり、サービス業、製造業、電気/ガス/熱供給/水道業などの増加を背景に、4年連続のプラスとなった。このうち製造業は3兆5181億円(同10.1%増)で前年の減少から再び増加に転じた。非製造業は10兆1276億円(同8.4%増)で2年連続の増加となっている。
公共工事は4兆1130億円(前年度比4.1%減)で3年ぶりに減少した。国の機関が2兆8629億円(同1.6%減)、地方の機関が1兆2501億円(同9.2%減)といずれも減少した。国の機関では政府関連企業が増加した一方、独立行政法人や国直轄分が減少。地方では地方公営企業と都道府県が増えたものの、市区町村などが落ち込んだ。
工種別では建築が好調、土木は横ばい
工種別では建築工事が13兆826億円(前年度比7.8%増)で4年連続増加した。住宅、工場/発電所などが増加した一方、娯楽施設、医療/福祉施設、教育/研究・文化施設は減少した。土木工事は5兆8732億円(同0.1%増)と3年連続で増加。港湾/空港、道路、上下水道などが増え、鉄道、治山/治水などが減少した。
海外受注は減少傾向に
海外工事は6389億円(前年度比2.6%減)と4年ぶりに前年を下回った。内訳は建築1950億円(同22.6%減)、土木4440億円(同9.8%増)で、建築の減少が全体を押し下げた。
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