AIで代替できないビルメン技術習得の場 日本空調サービスが22億円で研修施設を開設:ビルメンテナンス
日本空調サービスは、2025年4月に愛知県名古屋市南区港東通でビルメンテナンスの研修施設をオープンする。AIで置き換えられないビル設備のメンテナンス技術を実機で学び、若手技術者の現場配置までの育成期間を1〜2年短縮する。将来は他社技術者の受け入れなど、業界全体の未来を創る拠点となることを目標に定めている。
日本空調サービスは、2025年4月から愛知県古屋市南区港東通で、ビルメンテナンスに関わる研修施設「技術・研修センター」の運用を開始する。
ビルメンテナンス業界の未来を創る大型研修施設が誕生
研修施設の場所は、名古屋鉄道「大江」駅から徒歩6分の名古屋市南区港東通1-2-1で、敷地面積は1799平方メートル。建物規模は鉄骨造地上5階建て延べ床面積は4185平方メートル。投資額は約22億円。
施設内ではさまざまな設備を実機で学習可能で、実技対象は空調設備、消防設備、衛生設備、クリーンルーム設備、太陽光設備、安全衛生、建築設備。
2025年4月からは全国の新入社員を技術・研修センターに集め、1カ月間の集中的な研修を行う。現場環境を再現した実機研修を充実させ、基礎的な技術力を習得した状態で現場に配属する。研修後も施設を活用した定期的な研修とインストラクターによる現場でのOJT指導を継続し、教育の質と効率を一層高め、技術力の向上を図り、技術者として一人前になるまでの期間で1〜2年ほどの短縮を見込む。
日本空調サービスは、技術者の育成や技術力向上を経営の重要課題と位置付け、アプローチの一つとして、ビルメンテナンスの大型研修施設を設立した。AIなどに置き換えることのできない技術や経験を必要とする業務は依然として存在するため、空調設備を中心にさまざまな設備を実機で学習することで、未経験からでも早期に戦力となる人材を育てる。さらに従業員一人ひとりの技術力向上や人材育成を通じた労働力不足の解消、業界全体の技術力底上げにもつなげる。
将来は他社の技術者受け入れを含めたオープンな研修の場として、ビルメンテナンス業界の未来を創る施設を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
プロジェクト:広島市紙屋町の「大同生命広島ビル」が大林組の施工で完成 外観に素焼き調タイルを採用
大同生命保険が広島県広島市中区紙屋町で、建設を進めていた14階建てオフィスビル「大同生命広島ビル」が完成した。日建設計の設計、大林組の施工で、制振部材を組み込み高い耐震性を備える他、外観は格式高いテラコッタ(素焼き)調タイルのクラシカルな意匠とした。ロボット:建設現場からビル管理までロボットが働きやすい建物へ 東急建設と東京都市大
東急建設と東京都市大学は、東京都市大学横浜キャンパスに建設する新研究棟において「人協調型ロボティクス」の社会実装に向けた共同研究開発を開始する。AI:IoTの五感と映像の目、「マルチモーダルAI」の頭脳を持つ次世代の現場監視 MODEがキヤノンMJ、セーフィーと提携
建設現場の遠隔監視が生成AIへの話し言葉で可能になるMODEの「BizStack Assistant」。現場向け映像カメラサービスに強みがあるキヤノンマーケティングジャパンとセーフィーとの技術提携により、両社のカメラで取得した映像も、異なる種類のデータを扱える“マルチモーダルAI”で、発話での呼び出しや画像解析が可能になる。2025年事業戦略:データセンター事業で売上2〜3割増、業界の人手不足にも対応 ジョンソンコントロールズ
ジョンソンコントロールズは2025年の事業戦略について、建設ラッシュが続くデータセンターや、地方の大型製造施設などの高成長市場へ引き続き注力すると明らかにした。2024年の振り返りと2025年の事業戦略について、代表取締役社長 吉田浩氏が語った。木造/木質化:英国でS造オフィスを木造増改築、ライフサイクル全体のCO2排出量削減 住友林業と芙蓉総合リース
住友林業と芙蓉総合リースは、英国ロンドンで、木造増改築によるオフィス開発「Golden Laneプロジェクト」を開始した。S造5階建てオフィスを取得し、1〜4階部分はS造の既存オフィスの構造を保存しながら改修工事を実施、5〜6階部分をマスティンバーによる木造で増築する。ZEB:建設中の大成建設グループ次世代技術研究所で設備機器の低炭素化を推進
大成建設は埼玉県幸手市で建設中の「大成建設グループ次世代技術研究所研究管理棟」において、建物のライフサイクル全体でのCO2収支を実質ゼロとする「ゼロカーボンビル」の実現を目指している。調達段階や修繕時のCO2排出量削減に向けて、建築設備機器のカーボンニュートラル化を推進する他、リサイクル石こうを100%使用した石こうボードの採用などに取り組む。