RFIDとスマホで工具管理、新たにQRコードにも対応 東急建設とアイリッジ:製品動向
東急建設とアイリッジは、工具の照合作業を自動化するサービス「工具ミッケ」の改良版「工具ミッケII」の提供を開始した。新たに対応したQRコードを利用する場合でも、複数工具をまとめて読み取れる。
東急建設とアイリッジは2025年4月10日、工事現場で使う工具の照合作業を自動化するサービス「工具ミッケ」の改良版「工具ミッケII」の提供を開始したと発表した。
アプリインタフェースの改良と工具登録フローの簡素化を図った他、新たに工具識別用タグとしてQRコードが使えるようになった。QRコード利用の場合でも、複数工具をアプリでまとめて読み取れる。
工具ミッケはRFID(無線自動識別)タグとスマートフォンアプリにより、工具持ち込みリストの作成や工具数量チェック、作業完了報告などの工具管理業務が簡単に行えるサービス。2022年10月の販売開始からこれまで、東急建設をはじめとする建設会社や鉄道事業者などで導入されている。
改良版となる工具ミッケIIは、1カ所にまとめた工具類の上にRFIDスキャナー(QRコードの場合は専用アプリ)をかざすと、事前に作成したアプリ上の工具持ち込みリストとスキャンした工具類を照合。数秒でリストとの差分を表示する。
全ての工具がそろうと作業完了報告画面に遷移し、監督者のメールアドレスと報告内容が入力された状態でメール画面が立ち上がる。この状態で送信ボタンをタップすれば、報告が完了する。
スマートフォンアプリから情報の更新/確認ができるため現場へのPCの持ち込みが不要。RFID利用の場合は離れた場所にある工具を探知するサーチ機能も利用できる。
工具ミッケIIでは、RFIDとQRコードのセットプランとQRコードのみ利用プランの2種類を提供。セットプランの場合、サービスには工具管理アプリ、RFIDスキャナー、RFIDサンプルタグ/QRコードの他、RFIDの利用に必要な電波法に基づく総務省への各種申請手続き代行、陸上移動局申請書類も含まれる。
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