「新綱島」駅前に木造商業施設を新設、2026年度下期開業 住友林業など:プロジェクト
住友林業、東急、再生建築研究所の3社は、東急新横浜線「新綱島」駅前で計画中の「(仮称)池谷家古民家周辺不動産活用プロジェクト」の一環として、木造商業施設2棟の新築工事に着手した。
住友林業と東急は2025年5月1日、再生建築研究所と共同で、東急新横浜線「新綱島」駅前で計画中の「(仮称)池谷家古民家周辺不動産活用プロジェクト」の一環として、木造商業施設2棟の新築工事に着手した。住友林業は設計・施工を、東急は事業コンサルタントを担う。再生建築研究所は全体監修と古民家改修工事の設計監理者として参画する。開業は2026年度下期の予定。
木造商業施設開発と築168年の古民家改修を実施
2023年3月に開業した「新綱島」駅周辺では、横浜市の土地区画整理事業が進行中で、同年12月には駅直結の複合施設「新綱島スクエア」がオープンするなど複数の開発事業が進んでいる。
今回のプロジェクトでは、駅前の個人所有の敷地で、敷地中央に位置する古民家を囲むように低層商業施設を新築する。周辺の開発事業との調和を図りつつ、連担して賑わいの創出を目指す。新築工事と並行して2025年2月、築168年の池谷家住宅主屋の改修工事に着手した。
池谷家住宅主屋は長年地域住民に親しまれてきた貴重な歴史的資産で、2024年1月に横浜市認定歴史的建造物に認定。同年11月には横浜市特定景観形成歴史的建造物にも指定された。
改修では建物の外観や伝統的な真壁造りの意匠、間取りを極力維持して歴史的な価値を尊重しながら、飲食店舗や物販店舗、事務所としての活用を念頭に、耐震性強化や設備更新など収益性のある用途転換のための再生を行っている。
住友林業が設計・施工する新施設は、純木造の2階建て低層商業施設。深い軒下空間と連続する木の柱など古民家の伝統的建築要素を継承している。内外装には木材を多用し、外部の構造柱も現しとして露出させることで、木の温かみと風合いを感じられる、古民家と調和した街並みを形成する。さらに、資材調達から解体時までのCO2排出量(エンボディドカーボン)を炭素固定量をLCA算定ソフトウェア「One Click LCA」で算定し、環境配慮型の木造建築の実現を目指す。
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