三井不動産、新木造建築ブランドの名称を「&forest」に決定:木造/木質化
三井不動産は、グループの新たな木造建築ブランドの名称を「&forest」に決定し、ブランド第1号物件の木造賃貸オフィスビル「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」の名称を「日本橋本町三井ビルディング &forest」とした。
三井不動産は2025年4月22日、グループの新たな木造建築ブランドの名称を「&forest」に決定したと発表した。ブランド第1号物件の木造賃貸オフィスビル「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」の名称を「日本橋本町三井ビルディング &forest」に、神奈川県海老名市で着工した構造の一部に木材を採用する物流施設の名称を「三井不動産インダストリアルパーク(MFIP)海老名 &forest」とする。
この他、日本橋では2棟目の木造賃貸オフィスビル「(仮称)日本橋本町一丁目5番街区計画」も推進中だ。
構造部などに木材を積極採用、建築時のCO2排出量削減
日本橋本町三井ビルディング &forestは、地上18階建て(高さ84メートル)、延べ床面積約2万8000平方メートルで、三井不動産によると国内最大かつ最高層の木造賃貸オフィスビルとなる。竣工は2026年9月を予定。
グループ保有林を含む1100立方メートル超の国産木材を構造材に使用し、一般的なS造オフィスビルと比べて、躯体部分の建築時のCO2排出量を約30%削減する見込みだ。内装/仕上げ材にも積極的に国産木材を使用し、木ならではの安らぎやぬくもりを感じる「行きたくなるオフィス」の実現を目指す。
MFIP海老名 &forestは、海老名市役所の目前に立地し、物流用途に加え、建物全体の約半分がオフィスや研究施設などのマルチユーススペースで構成される。
グループ保有林の木材をはじめとする国産材を、構造材や内装/仕上げ材の一部に使用する。共用部のうち木造とした一部では、木質デザインも積極的に取り入れることにより、S造で建築した場合と比べて、建築時のCO2排出量を約40%低減することを見込んでいる。
建物は地上4階建てで、延べ床面積は約4万219平方メートル。設計・施工は、日鉄エンジニアリングが手掛ける。
また、日本橋本町一丁目5番街区計画では、地上11階建ての複合施設を建設する。延べ床面積は約1万8000平方メートルで、設計は山下設計、施工予定者は大林組。
国産木材を積極的に活用して建築時のCO2排出量削減を図る他、運用時の省エネ/創エネ施策を積極的に採用することで、1棟目を超える環境性能を目指す。竣工は2028年4月を予定している。
三井不動産グループは今後も、木造建築ブランド「&forest」や、三井ホームの木造化技術ブランド「MOCX」、その他各施設における取り組みを含めた木材活用を推進していく。
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