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RFIDとスマホを活用し工具の管理を実現するサービスを発売、東急建設とアイリッジ建設DX

東急建設は、アイリッジとともに、RFID(無線自動識別)タグとスマートフォンアプリを活用した建設DXサービス「工具ミッケ」を共同開発し、2022年10月1日に発売した。なお、工具ミッケの概念実証では、最大8割程度の工数削減効果が確認されており、2022年10月中に東急建設が管理する5箇所の現場で導入する見通しだ。

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 東急建設は、アイリッジとともに、RFID(無線自動識別)タグと専用スマートフォンアプリを活用した建設DXサービス「工具ミッケ」を共同開発し、2022年10月1日に発売した。

アイリッジと取引がある鉄道会社の建設現場を中心に20箇所での導入を目標に

 国内では近年、コロナ禍の影響で非接触と非対面のニーズが高まった他、政府が働き方改革を推進したことで、生産性向上に役立つにアプリを開発する企業が増加傾向にある。さらに、建設業界では、「働き方改革関連法」によって2024年4月以降、時間外労働の上限規制が適用になるため、DXによる業務効率化が急務となっている。

 一方、東急電鉄をはじめとする約20社の鉄道会社に対しアプリ開発を行っているアイリッジでは、「鉄道工事の現場で、資機材の置き忘れによる重大なインシデントを防ぐために、時間と手間をかけて実施されている工具管理を、ITの導入で精度を担保しつつ作業工数を削減したい」という声が多く寄せられている。

 そこで、アイリッジは、東急が主催する事業共創プラットフォーム「東急アクセラレートプログラム(現在の名称は東急アライアンスプラットフォーム)」を通じて、RFIDタグとスマートフォンアプリを活用して工具管理のDXを実現するツールを企画し、工具ミッケのプロトタイプを開発して、東急アライアンスプラットフォームのイベント「TAP Demo Day」で2020年度に「SOIL賞」を受賞した。

 その後、アイリッジは、東急建設とともに、工具ミッケの共同開発を開始し、複数回の概念実証を実施しサービス化している。


「工具ミッケ」照合作業イメージ(左)と仕組み(右) 出典:東急建設プレスリリース

 工具ミッケは、専用アプリとRFIDにより、工事現場で使う工具の照合作業を自動化し、管理業務の縮減と生産性向上を実現する建設DXサービスで、月額5万円からの利用に対応し、RFIDの利用にあたって必要となる、電波法に基づく総務省への各種申請手続き代行もサービス内に含まれている。

 加えて、2019年に電波利用申請の新たな局種として「陸上移動局」が施行されたことを踏まえ、特定されない作業場所や移動車両による設備点検での使用を想定し、機動性が高い設計となっている。

 また、消費者向けアプリ開発で培ってきたノウハウに基づく使いやすいUI(ユーザーインタフェース)を専用アプリが備えており、現場の職員が各自のスマートフォンから専用アプリの情報更新や確認を行えるため、現場へのノートPCの持ち込みも不要だ。


「工具ミッケ」の専用アプリの画面 出典:東急建設プレスリリース

 具体的には、ひとまとめにした工具類の上に専用アプリのRFIDスキャナーをかざすだけでアプリ上のリストと照合でき、概念実証ではトラック1台分の工具類でも1分かからず照合から作業報告完了まで行え、ターミナル駅の工事現場など、大規模な現場ほど工数削減の効果が期待される。

 なお、これまでの鉄道工事では、使用するドリルや脚立など、数百種類に上る工具の現場置き忘れを防止するために、持ち出す工具をまずヤード(資材置き場)で紙に書き出し、現場に移動後作業開始前に1回、作業終了後に1回、ヤードに戻って1回の計3回、1つずつ目視確認をしながら慎重に照合するという作業が行われていたが、工具ミッケにより作業工程を減らせる。

 工具ミッケのサービス内容は、工具管理アプリ、RFIDスキャナー、RFIDサンプルタグ、陸上移動局申請書類、総務省への申請代行で、主な機能は、「工具持ち込みリストの作成」「工具数量チェック」「作業完了報告」となる。

 工具持ち込みリスト作成は、工事現場に運搬する工具のリストを作れる。工具数量チェックは、ヤードからの工具持ち出し時や工事の開始前と終了後に、専用アプリのスキャン機能で、使用した工具のRFIDを読み込み、数秒で持ち込みリストとの差分を見える化する他、工具のサムネイル画像を工具ミッケに登録することで、不足している工具が一目で分かるようになる。

 作業完了報告は、工具数量チェックで全ての工具がある時のみ、作業完了報告が行える専用アプリの画面が表示されるだけでなく、あらかじめ指定した工事監督者のメールアドレスと作業完了報告内容が入力された状態でメール画面が立ち上がり、送信ボタンをタップするだけで、ペーパーレスで作業完了報告が行える。

 今後は、2022年10月中に東急建設の工事現場5箇所での導入を進める他、2022年度中にアイリッジと取引実績がある鉄道会社の建設現場を中心に20箇所で導入することを目指す。

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