RFIDを活用しコンクリートの強度発現を遠隔で確認 長谷工が2025年度本格導入へ:スマートコンストラクション
長谷工コーポレーションとTOPPANエッジは、RFIDと温度センシング技術を活用し、コンクリート硬化による強度発現を遠隔で確認できる「RFIDセンサーシステム」を開発した。2025年度中の本格導入を目指す。
長谷工コーポレーションとTOPPANエッジは2024年8月29日、RFIDと温度センシング技術を活用し、コンクリート硬化による強度の発現を遠隔で確認できる「RFIDセンサーシステム」を開発したと発表した。
新システムは2024年初頭から、長谷工コーポレーションの建設現場で検証を重ねている。2025年度中の本格導入を目指し、新システムを使用した施工管理の運用方法を確立するとともに、操作性と作業性を向上していく。
建設現場で型枠に打ち込まれるコンクリートは、硬化初期のコンクリート強度に応じて型枠を取り外すなどの次工程に移行する。従来、硬化初期のコンクリート強度は、供試体を用いた外部機関の圧縮強度試験で確認していた。
新システムは、コンクリートを打込む型枠の内側にシール状のRFIDセンサーを貼り付け、センサーが測定したコンクリート温度をもとに、建築基準法の告示で示す推定式から硬化初期のコンクリート強度を推定する。RFIDセンサーは薄型のため、型枠を取り外した後のコンクリート表面の痕跡がわずかで、手直しや仕上げ施工へ考慮する必要がない。また、センサーで測定したデータは型枠の外側に取り付ける読み取り機で無線により記録し、クラウドに自動で転送する。
これにより、遠隔でリアルタイムに強度の発現をモニタリングでき、外部機関の圧縮強度試験が不要になる。次の施工工程へスピーディーに移行でき、作業効率の向上や供試体削減によるCO2排出量と廃棄物削減が可能になる。
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