内幸町一丁目再開発で南地区の大規模複合ビル着工 46階、延べ約29万m2の「サウスタワー」整備:プロジェクト
第一生命保険、中央日本土地建物、東京センチュリー、東京電力パワーグリッド、TF内幸町特定目的会社が東京都千代田区で開発を進める「内幸町一丁目街区南地区第一種市街地再開発事業」が、2025年4月1日に着工した。
第一生命保険は2025年4月3日、中央日本土地建物、東京センチュリー、東京電力パワーグリッド、TF内幸町特定目的会社と共に、東京都千代田区で開発を進める「内幸町一丁目街区南地区第一種市街地再開発事業」の建設に着手したと発表した。2029年3月の竣工を予定している。
地上46階建て「(仮称)サウスタワー」を整備
同事業は、日比谷公園に隣接した北、中、南の3地区から成る内幸町一丁目街区開発プロジェクト「TOKYO CROSS PARK構想」の一環として実施。南地区に地上46階建て、延べ床面積約29万平方メートルの大規模複合ビル「(仮称)サウスタワー」などを整備する。基本設計/タワーデザイン/工事技術コンサルは日建設計、実施設計/監理/施工は清水建設が担当する。
タワー棟の1階〜8階にはウェルネス促進施設、ホテル、商業を整備し、平日や休日、昼夜を問わず恒常的な賑わいを創出する。中地区と連携し、日比谷通り側には高さ約31メートル(百尺)の基壇部上広場を設置して周辺地域の回遊性を高める。
11〜44階には、総貸床面積約15万平方メートル、基準階面積約1400坪の無柱オフィス空間を整備。近年の働き方の多様化を踏まえ、個室からフリーアドレスのコワーキングまで多様なワークスペースを備えたオフィスサポートエリアも設ける。
タワー棟は、利用者の健康や快適性に着目した国際的な建物認証「WELL Core」の予備認証を取得しており、竣工後には最高評価の「プラチナ」ランク取得を予定だ。「CASBEE ウェルネスオフィス評価認証」の最高評価Sクラスも取得している。また、オフィス/商業/ホテルなどを含めた建築物全体評価において、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)最高ランクの5つ星と「ZEB Ready」認証を取得する計画を明らかにしている。さらに、タワー棟のスパンドレル部外壁側内部にはフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置し、都心部におけるエネルギー創出の最大化と地産地消の実現を図る。
駅とまち、公園が一体なった都市整備プロジェクト
再開発が行われる内幸町一丁目街区南地区は、日比谷公園に隣接し、大手町/丸の内/有楽町や霞が関/虎ノ門などのオフィス/商業/官庁街の結節点に位置する。駅とまち、公園一体となった都市づくりを計画しており、今回第1弾として、都営三田線「内幸町」駅との地下接続通路と、JR各線、東京メトロ銀座線「新橋」駅へ続く地下接続通路を整備。さらに、南地区の地上/地下の結節点、南街区の玄関口としての機能を持つ「(仮称)アクセスコア」により、各駅へ直結する通路とタワー棟をつなぐ。
将来は3地区が地上部や低層部などを介して接続し、日比谷駅、日比谷公園側とつながることで歩行者ネットワークを構築する。3地区一体となったエネルギーセンターや高度な都市OS(情報基盤)などを整備して相互連携することで、段階的により周囲に開かれた街として運営する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
大阪・関西万博:藤本壮介氏と落合陽一氏が万博見どころ解説 海外パビリオンなど写真で巡るメディアデー
2025年4月13日に開幕した「大阪・関西万博」。開会直前の4月9日には、「メディアデー」を開催。本稿では、メディアデーで建築家の藤本壮介氏が会場で解説した「大屋根リング」、落合陽一氏がプロデュースした「null2」、外観が特徴的な海外パビリオンなど、建築の観点で万博の見どころを紹介する。AI:高速の床版取替工事でIoTと生成AIの安全管理を実験 鉄建建設とMODE
鉄建建設とMODEは、高速道路リニューアルプロジェクトで車線規制管理の効率化に向け、IoTと生成AIを用いた実証実験を開始した。交通規制範囲の位置情報をリアルタイムで可視化し、チャットアプリ経由でAIに指示すると現場映像を確認できる。メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024:高所作業の転落をゼロに! フックを掛ける場所がなくてもOK、シンガポール発転落防止システム
フルハーネス型墜落制止用器具の着用が完全義務化以降も、高所作業の墜落/転落事故は後を絶たず、建設現場ではさらなる安全対策が求められている。G-Placeは、その解決策として、シンガポールで安全な環境づくりの視点から生まれた常設型転落防止システム「アクロバット」を提案している。フックを掛ける場所がなくても、建物側にワイヤやレールの親綱を設置するため、安全な現場環境が構築できる。大阪・関西万博:別子銅山の木を1000本使用した万博パビリオン「住友館」公開 森をめぐる冒険で「いのちの物語」を体験
住友グループは大阪・関西万博の開幕直前となる2025年4月2日、「住友館」のプレス内覧会を開催した。パビリオン建設では、住友グループ発展の礎となった“別子銅山”で植林したスギやヒノキなど約1000本の木々を活用した。内部では会期中、ランタンを片手に森を冒険する「UNKNOWN FOREST」、複層の映像スクリーンと音楽や人が融合する大迫力の演出が繰り広げられる「パフォーミングシアター」を展開する。プロジェクト:J2「いわきFC」の新スタ候補地が小名浜港の県有地に 3面の観客席で2027年6月までに着工
サッカーJ2「いわきFC」の新ホームスタジアム候補地が、福島県いわき市小名浜港の県有地に決定した。構想ではフィールド周囲にビルディング棟を含む3面の観客席を配置し、残る方向は多目的広場とする。2027年6月までに着工、最長2031年までの完成を目指す。脱炭素:「ワカメでCO2を吸収」横浜港の脱炭素化プロジェクト開始 八千代エンジや東亜建設工業など
八千代エンジニヤリング、横浜ベイサイドマリーナ、東亜建設工業は、横浜市港湾局と連携し、横浜ベイサイドマリーナの護岸壁面でワカメを繁茂させてCO2を吸収するブルーカーボン創出プロジェクトを開始した。