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高速の床版取替工事でIoTと生成AIの安全管理を実験 鉄建建設とMODE:AI
鉄建建設とMODEは、高速道路リニューアルプロジェクトで車線規制管理の効率化に向け、IoTと生成AIを用いた実証実験を開始した。交通規制範囲の位置情報をリアルタイムで可視化し、チャットアプリ経由でAIに指示すると現場映像を確認できる。
鉄建建設とMODEは2025年2月、高速道路の床版取替工事で車線規制管理の効率化に向けた実証実験を開始したと発表した。
IoTと生成AIで高速道路リニューアルプロジェクトの安全管理を革新
床版取替工事は、車線規制で一般交通を確保しながら工事を実施するため、規制帯管理は工事の安全性と効率化、交通の円滑化、地域社会への影響軽減に欠かせない。
実験では、現場に設置したセンサーで取得するデータを一元的に管理するMODEのIoTプラットフォーム「BizStack(ビズスタック)」、BizStackの応答に生成AIを用いた「BizStack Assistant」を採用した。
車線を規制する際に設置する保安設備にGPSデバイスを搭載し、規制帯起点から終点まで、工事車両出入口の保安設備位置をGPSで計測して地図上にリアルタイムで表示する。また、チャットアプリを介して対話型AIに指示することで、規制帯付近に置いたカメラ映像で確認。現場管理者の負担軽減や規制帯内の安全性確保などが実現する。
また、規制区間情報や規制開始/終了時刻の履歴を自動で記録するため、情報の透明性も担保。道路管理者による報告時の転記作業が不要になり、報告業務の効率化が図れる。
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