奥村組の全国6棟の社宅を改修、賃貸住宅として再生/収益化:リノベ
奥村組とリノベるは、奥村組が所有する全国6棟の社宅を改修し、賃貸住宅として再生/収益化する。6棟は全て2025年3月までに竣工予定。
奥村組は2025年2月25日、リノベると共同で、奥村組が所有する全国6棟の社宅を改修し、賃貸住宅として再生、収益化すると発表した。両社が共同で企画/設計を行い、リノベるが施工。竣工後は奥村組の賃貸マンションブランド「OC RESIDENCE R(オーシー レジデンス アール)」として賃貸住宅事業を展開する。6棟は全て2025年3月までに竣工予定だ。
既存の住宅ストックを活用するリノベーションは、新築と比較してCO2排出量を削減できる。さらに、改修による省エネ化や断熱性能向上によって、エネルギー由来のCO2排出量の削減にもつながる。奥村組は社内制度見直しで廃止した社宅が全国に7棟あり、今回、リノベるを事業パートナーに、6棟の社宅を賃貸住宅として再生し、収益化を図ることとした。
今回のプロジェクトでは建物調査を実施し、修繕履歴や周辺マーケット分析に基づいて計画を策定。建物ごとに共用部の大規模修繕やバリューアップ工事、専有部のリノベーション工事を実施し、長期修繕計画を立案することで、建物の長寿命化と収益性向上を図る。
全6棟の建物管理/運営/一括借上げ(サブリース)システムは、リノベるのマッチングにより旭化成不動産レジデンスに決定した。
6棟のグランドコンセプトは「Human×Green×Honest Development〜人と人の暮らしと自然を誠実に繋げ、持続可能なまちをつくり社会から必要とされ続ける企業へ〜」に設定。大規模修繕や設備、デザインの更新に加え、緑と人をつなぐ空間づくりや、地域に開かれたスペースなどを各プロジェクトに取り入れた。
横浜市の物件ではコミュニティースペースやドッグランを整備
神奈川県横浜市の「OC RESIDENCE R YOKOHAMA HINO(オーシー レジデンス アール 横浜日野)」は、2025年2月に竣工し、3月から入居開始予定。共用部の大規模改修で外観を一新し、外構の空地部分には四季を感じられる花木を新たに植栽した。住民同士のコミュニケーションを誘発するコミュニティースペースを新設すると共に、地域に生息する鳥やチョウなどの生物を呼び込む植物を配置することで生物多様性に配慮し、子どもたちが自然とふれあう体験の機会を創出する。さらにドッグランを併設し、ペットフレンドリーな賃貸住宅へとバリューアップを図った。
専有部は内装と水回りを刷新し、子育て世帯が暮らしやすい3LDKの間取りを採用。1室は土間風の空間とすることで、屋外とシームレスにつながり、外構の自然も感じられる空間を創出している。
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