丸の内「新東京ビル」の環境配慮型リノベが一部完成 三菱地所の設計で大成建設が施工:リノベ
東京都千代田区丸の内の「新東京ビル」で、大規模リニューアルが一部完了した。丸の内仲通りに面する1階の角部分にピロティ空間を新設し、3階と5階には約30点のアート作品を掲出した。その他の各フロアも順次リニューアルを進め、全体の完了は2025年度を見込む。
三菱地所は2024年7月23日、東京都千代田区丸の内三丁目3番1号に位置する「新東京ビル」の大規模リニューアルが一部完了したと発表した。
従前の素材活用やLow-E複層ガラスへの全面更新など、環境配慮型リノベ
新東京ビルは1963年に竣工した複合ビル。構造規模は鉄骨鉄筋コンクリート造の地下4階/地上9階/塔屋3階建て、延べ床面積は10万2768.18平方メートル。
2020年には、4階フロアを全面改修し、イノベーション拠点「Shin Tokyo 4TH」がオープン。今回は、竣工60年を迎えるのを機に、“人を惹(ひ)きつける新東京ビル”をコンセプトに2022年8月から大規模改修に着手。設計は三菱地所、施工は大成建設が手掛け、このほど一部が先行して完成した。
完成したのは、丸の内仲通りに面した1階北西区画のピロティ空間。これまで建物のファサードで閉じられていたスペースを丸の内や有楽町の就業者や来街者が利用できる開放感のある屋外空間として、食物販店舗のオープンに合わせて開放する。
また、3階と5階には約30点のアート作品を掲出した。各階のフロアコンセプトで3階の「Villa」、5階の「Lounge」を連想する作品を選定。通常は廃棄される周辺ビルの仮囲いアートをリメークした作品も配置している。
外装は、昭和30年代のモダニズム建築の特徴とされる横連窓のデザインを継承しながら、窓ガラスを全てLow-E複層ガラスに全面更新し、熱負荷の低減による省エネ性能の向上を図る。
内装は、動物由来の原材料を使わずにつくられた人工的な皮革の「ヴィーガンレザー」を用いた什器やリサイクル素材を用いた壁面タイルなどを採用した。一方で、1階中央部の円形照明や床、壁のモザイク調のアートタイルは、価値あるヴィンテージとして残し、基準階においては開業時からの素材を生かすなど、ストック型リノベーションを展開する。
その他の各フロアも今後リニューアルを進める。2025年度中には、全体のリニューアルが完了する予定となっている。
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