鹿島、大田区で2.3万m2の都市型物流施設竣工 『ZEB』も取得:ロジスティクス
鹿島建設が東京都大田区で開発を進めてきたマルチテナント型物流倉庫「KALOC南六郷」が完成した。延べ床面積約2.3万平方メートル、柱RC/梁S造の4階建てで、最大2テナントの入居が可能。開発から設計・施工まで一貫して鹿島建設が手掛けた。
鹿島建設は2025年2月14日、東京都大田区で開発を進めてきたマルチテナント型物流倉庫「KALOC南六郷」が完成したと発表した。鹿島建設が国内で初めて整備した都市型物流施設で、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロとするBELS認証の『ZEB』とCASBEE建築認証の『Sランク』を取得している。
KALOC南六郷は、延べ床面積約2万2719平方メートル、柱RC/梁(はり)S造の4階建てBOX型倉庫で、最大2テナントの入居が可能。開発から設計・施工まで一貫して鹿島建設が手掛けた。
第一京浜(国道15号線)に近接し、首都高速1号羽田線「羽田IC」から3.6キロに位置するなど、都心部と神奈川方面へのアクセスが良好だ。羽田空港や東京港からも近く、国内外の物流をカバーできる。京浜急行本線「六郷土手」駅から徒歩8分、「川崎駅」や「蒲田」駅からはバスでアクセス可能だ。
倉庫内の梁下有効高さは5.5メートル、床荷重1.5トン/平方メートルを確保。北側のトラックバースに加え、小型/中型トラック用の補助バースを設置し、多様な荷物や車両の種類に応じた配送作業に対応する。標準仕様として荷物用エレベーター4基、垂直搬送機3基を備える。
BCP対策として、72時間連続給電可能な非常用発電設備を導入。また、屋上設置の受水槽により断水時の給水を確保する。1階倉庫床は東京湾平均海面から約4メートルの高さに設定し、近接する多摩川の氾濫リスクにも備えている。
環境面では、屋上に設置した太陽光発電設備からの館内への電力供給、LED照明や高性能Low-E複層ガラスの採用に加え、躯体の一部に低炭素型コンクリート「ECMコンクリート」を使用した。さらに敷地北側/西側の歩行者通路に沿って植栽を整備し、周辺地域との調和を図る。物件は、国土交通省が2024年11月に施行した新認定制度「脱炭素都市再生整備事業計画認定」の第一号案件にも採択された。
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