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鹿島建設が建設現場から排出する“廃プラスチック”を工事用バリケードに転用:脱炭素
鹿島建設、八木熊、大栄環境、資源循環システムズは、建設現場から生じた廃プラスチックを活用して工事用バリケードを5000個製造した。製造したバリケードは、鹿島建設の建設現場で活用し、建設現場内での資源循環を実現している。
鹿島建設は2025年1月24日、八木熊、大栄環境、資源循環システムズと共同で、建設現場から排出する廃プラスチックを再資源化して工事用バリケードを製造し、建設現場に導入したと発表した。
焼却処分の廃プラを別のプラ製品へ再生産
製造工程は、鹿島建設などの各建設現場で生じた廃プラスチックを大栄環境グループが回収し、廃プラスチック(ポストコンシューマー材料)を選別して前処理を施した。
その次に八木熊で洗浄/粉砕して再生ペレット化し、ポリプロピレン樹脂(プレコンシューマー材料)を混ぜてリサイクルバリケードを製造した。実証ではバリケード原料のうち30%をポストコンシューマー材料に置き換え、リサイクルバリケードを5000個製造し、鹿島建設の建設現場で活用している。
2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法では、プラスチックごみ問題や気候変動問題への対応を背景に、プラスチックの資源循環を促進することが求められている。しかし、建設現場で生じる廃プラスチックの多くが焼却処分されており、十分に資源として循環していなかった。そのため、鹿島建設など4社は、今回のバリケードへの再資源化スキームを構築した。
今後は、リサイクルバリケードの普及に向け、製造コストの低減を図るとともに製品開発などの検討を進める。
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