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AI搭載、リアルタイム鉄筋出来形自動検測システムで「ダブル配筋」にも対応 三井住友建設:現場管理
三井住友建設は、日立ソリューションズと共同開発したリアルタイム鉄筋出来形自動検測システムにAIを搭載した。AIによる画像認識で鉄筋を自動検出し、ダブル配筋や逆光などのさまざまな撮影条件下での計測を実現する。
三井住友建設は2025年1月10日、日立ソリューションズと共同開発したリアルタイム鉄筋出来形自動検測システム「ラクカメラ」にAIを搭載したと発表した。AIによる画像認識で鉄筋を自動検出し、ダブル配筋や逆光などのさまざまな撮影条件下での計測を実現。計測精度と作業効率が向上した。
ラクカメラは、奥行きの情報を取得する深度センサーがついたカメラ(デプスカメラ)を接続したタブレットを使って鉄筋を撮影し、計測対象の鉄筋本数と配筋間隔、鉄筋径を自動計測するシステム。計測結果はクラウドの帳票生成サービスに送信し、帳票と写真台帳を自動作成する。市販のデプスカメラ(Intel RealSense)とAndroid OS搭載のタブレットで利用でき、従来の計測方法と比べ、施工管理者の検測作業拘束時間を3分の1に短縮した。システムは、日立ソリューションズが「GeoMation 鉄筋出来形自動検測システム」として販売している。
今回、システムにAIを搭載し、画像からの鉄筋認識作業を自動化。従来手作業で行っていた対象鉄筋3〜6点を指定する操作が不要で、ワンタッチで鉄筋を抽出できるようになり、抽出精度が向上した。
また、撮影した画像から鉄筋の上段と下段を自動認識し、従来のシステムでは困難だったダブル配筋の下段鉄筋の計測にも対応。さらに、直射日光が当たる環境や逆光などさまざまな撮影条件下での計測を実現する。
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