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高速道路の床版取替工事を効率化、新技術を開発 前田建設工業など:製品動向
前田建設工業、飛島建設、佐藤工業、エスイーは共同で、高速道路リニューアル時の床版取替工事の工期短縮と疲労耐久性の向上を実現する新たな床版継手技術「ESCON TPジョイント」を開発した。
前田建設工業は2024年9月25日、飛島建設、佐藤工業、エスイーと共同で、高速道路リニューアル時の床版取替工事の工期短縮と疲労耐久性の向上を実現する新たな床版継手技術「ESCON TPジョイント」を開発したと発表した。
ESCON TPジョイントは、機械式定着鉄筋(TPナット)と高強度間詰材(ESCON)を組み合わせたもの。従来技術のループ継手と比較して、間詰幅を従来の1/2以下、かつ継手構造を簡素化したことで、継手作業を省力化し、床版取替工事にかかる工期を短縮できる。
また、プレキャスト(PCa)床版の形状改善により、これまで必要だった設置時の床版水平移動や、鉄筋組立時の側面からの配筋挿入作業が不要になった。床版継手周りの構造がシンプル化したことで継手施工を簡便に行えるようになり、コストの低減と作業者の安全性向上にもつながる。
さらに、従来の収縮補償用コンクリートに代わり、高強度繊維補強モルタルを採用。モルタルを介した定着鉄筋同士の確実な応力伝達により高い疲労耐久性を発揮し、施工品質が向上する。
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