金沢駅前に高層テナントオフィスビル「Hirooka Terrace」開発、オーエフが統括ベンダーとして参画:プロジェクト
北國フィナンシャルホールディングスは石川県金沢市で、地上13階建ての高層テナントオフィスビル「Hirooka Terrace」の開発を進めている。このプロジェクトに、オーエフが統合ネットワーク構築の統括ベンダーとして参画する。
オーエフは2025年1月7日、北國フィナンシャルホールディングスが石川県金沢市「金沢」駅前で開発中の高層テナントオフィスビル「Hirooka Terrace」プロジェクトに、統合ネットワーク構築の統括ベンダーとして参画すると発表した。
Hirooka Terraceは、地上13階建て、高さ58.7メートル、延べ床面積2万平方メートル超で、2025年7月に竣工予定。三菱地所設計が設計監理を担当、清水建設が施工する。高性能外装、高効率設備による省エネルギー対策と、屋上などに設置した太陽光発電設備での創エネルギーにより、一次エネルギー消費量を75%以下まで削減した建物に与えられる「Nearly ZEB」を取得している。
オーエフは統合ネットワークの設計/構築から、設備間の調整、通信の優先順位設定やセキュリティ対策、IPアドレス管理などシステム全体の最適化を担当する。また、各設備ベンダーとの調整を行い、全システムの結合試験を実施することで、ビル全体のシステムが円滑に稼働するよう調整を図る。
統合ネットワークで建物全体のIoT化を推進
統合ネットワークは、照明、空調、監視カメラなどビル内の複数の設備やシステムを基幹ネットワークに集約し、一元的に管理する技術。配線や機器を1つのネットワークに統合することで設置コストやメンテナンスコストを削減できる。また、管理が効率化されるため、将来新しい設備やシステムを追加する際も柔軟に対応可能だ。
今回、オーエフは建物全体のIoT化を推進し、入退館管理システム、照明制御、監視カメラなどの設備を統合ネットワークに集約。設備間の連携をスムーズに行い、効率的な運用とエネルギー管理を実現する。
統合ネットワークはビル内の全てのシステムを1つのネットワークに集約するため、ネットワーク障害発生時の影響範囲が複数の設備に広がるリスクがある。オーエフでは冗長構成の採用やバックアップ設備の整備により、トラブル発生時でもネットワーク全体の停止を防ぐ。
また、365日稼働する監視センターでネットワークをリアルタイムで監視し、異常が発生した際に迅速に対応できる体制を整備。ビル全体の信頼性を保ちながら、安全で安定した運用を実現している。
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