静岡駅前に市内2棟目のアパホテル着工 熊谷・鈴与JVの施工で2027年春オープン:プロジェクト
アパグループの静岡市内で2棟目となる「アパホテル〈静岡駅前〉」が着工した。13階建て延べ6655m2の規模で、設計は日企設計、施工は熊谷・鈴与JVが担当し、2027年春の開業を目指す。
建築中や設計中、海外、FC、直参画を含むと864ホテル12万5494室を展開するアパグループは2024年10月7日、「アパホテル〈静岡駅前〉」の建設予定地となる静岡県静岡市葵区栄町で起工式を執り行った。開業は2027年春の予定。
13階建て延べ6655m2、客室数は全418室
アパホテル〈静岡駅前〉は、静岡市内で2棟目のアパホテルとなる。JR東海道本線、東海道新幹線「静岡駅」北口地下広場(しずチカ)「E」出口から徒歩3分に位置し、県外からの観光や出張ビジネスに最適な駅前立地にあたる。計画予定地の静岡駅北口周辺は、徳川家康が整備した駿府城と駿府城下町として栄えた歴史ある地域で、近年では土地を高度利用した超高層複合ビルの再開発事業が進んでおり、伝統と新しい街づくりの双方を兼ね備えたエリア。また、静岡はサッカーなどスポーツが盛んな地域なため、スポーツ団体の宿泊需要も見込む。
設計は日企設計、施工は熊谷・鈴与JV、デザイン監修は辻本デザイン事務所が担当し、2027年春の開業を予定している。
物件概要は、所在地が静岡県静岡市葵区栄町1-5の敷地面積1207.35平方メートル。鉄骨造地上13階建て、建築面積は789.17平方メートル、延べ床面積は6655.27平方メートル。客室数は全418室で、内訳はダブル413室、ツイン3室、デラックスツイン2室。
アパホテル〈静岡駅前〉の客室標準仕様は、全室50型以上の大型液晶テレビとし、日本語、英語、繁体字、簡体字、韓国語に対応したホテルの館内案内「アパデジタルインフォメーション(ADI)」を集約して表示する。全客室で、YouTubeなどの動画配信サービスを2タッチでスマホからテレビの大画面に映すことができる「キャスト機能」を導入。テレビリモコンは、チェックアウト時間の延長手続ができるセルフ延長機能を備える。
室内設備では、照明スイッチ類(一括消灯「おやすみスイッチ(GOOD NIGHTスイッチ)」)、空調リモコン、コンセント、USBポート、HDMI端子を一元的に操作できる枕元集中コントローラーを採用。寝具は西川と共同開発したアパオリジナル羽毛ふとん「SOFT FIT(ソフトフィット)」とする他、空気中の花粉やカビ菌、ウイルスなどを抑制する効果のあるパナソニック「ナノイーX」よりも100倍の効果を謳(うた)う「高濃度ナノイーX」を搭載したエアコンを設置する。
フロント機能は、顧客の利便性を考慮してデジタル化した「DX“アパトリプルワンシステム”」として、アプリからワンステップの予約で待たずに非接触で“1秒チェックイン”を可能にし、チェックアウトはカードキーをポストに投函するだけでリアルタイムで自動的にチェックアウト処理が行われる。
起工式に先立つ記者発表で、アパグループ社長 兼 最高経営責任者(CEO) 元谷一志氏は、「日本は災害が多い国であり、一極集中は高い天災リスクがある。対応として、多極集中によるリスク回避が必要だ。アパホテルは東京一極集中だけでなく、3大都市圏への出店に加え、福岡、広島、札幌、そして静岡といった政令指定都市への出店も積極的に進めている。今後の静岡でのホテルネットワークは、直営店だけでなくフランチャイズ店舗、アパ直参画ホテルを含めて拡大していきたい」と語った。
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