ニュース
大和ハウス工業とオートデスクがBIMを活用したCO2排出量算定ツールを開発:BIM
大和ハウス工業とオートデスクは、BIMデータを活用し、建物の設計初期段階からCO2排出量を算定できる「Integrated Carbon Tool」を共同開発した。全国の大和ハウス工業事業所で、商業施設と事業施設の新築設計の際に利用を開始する。
大和ハウス工業とオートデスクは2024年12月19日、建物の設計初期段階からCO2排出量を算定できるツール「Integrated Carbon Tool(インテグレーティド カーボン ツール)」(以下、ICT)を共同開発したと発表した。BIMデータを活用し、資材の製造や輸送に関わるCO2排出量を可視化する。大和ハウス工業では2024年12月20日から、全国事業所で商業施設と事業施設の新築設計の際にICTの利用を開始した。
ICTは、BIMデータに基づく精緻なCO2排出量の算定が可能。柱や梁(はり)などの部材、木材や鉄などの材料を選択することで、BIMデータでは再現されない接合部材なども含めたCO2排出量を自動で算定する。CO2排出量の算定に関する専門知識がなくても、Autodeskの施工管理ソフトウェア「Autodesk Construction Cloud(オートデスク コンストラクション クラウド)」と連携し、算定と削減の検討が行える。
両社は2018年8月、建設業におけるBIMの取り組みを進めるための戦略的連携に関する覚書を締結。建設DXに向けたデータ戦略やプラットフォーム戦略を軸に、デジタル基盤を整備してきた。今後も2050年カーボンニュートラルの実現やBIMを活用した技術開発、業務効率化などで連携を図る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 産業動向:週休2日工事、市区町村も半数超える 猛暑日を考慮した工期設定に課題
国土交通省と総務省は、公共工事の入札契約適正化に関する実施状況を公表した。週休2日工事の実施、ダンピング対策やスライド条項の運用について取り組みが進展する一方、猛暑日などを考慮した工期設定や、発注事務におけるICT活用については課題が残されていることが明らかになった。 - 製品動向:AIで建物のCO2排出量算定を自動化、ライフサイクル全体で評価 ゴーレムと鴻池組
鴻池組とゴーレムは、AIを活用して建物のライフサイクル全体のCO2排出量を算定するシステム「Gorlem CO2」を活用し、CO2排出量算定を自動化する取り組みを開始した。 - 脱炭素:建物計画の初期段階でCO2削減効果とコスト増減率を比較、大林組が新システム開発
大林組は、建物計画の初期段階で、建築/設備仕様によるCO2排出量削減効果とコストの増減率を比較検証し、顧客の方針決定を支援する新システム「カーボンデザイナー E-CO BUILDER」を開発した。 - 導入事例:建機の稼働データと連携、CO2排出量を自動モニタリング 竹中工務店
竹中工務店は、建設機械のテレマティクスサービスを活用したCO2排出量の自動モニタリングを開始した。建設機械メーカー各社の協力を得て、適用範囲のさらなる拡充を目指す。 - 脱炭素:中規模オフィスビルで「エンボディドカーボン」を35%削減、鹿島建設
鹿島建設が名古屋市中区で開発を進める中規模オフィスビル「名古屋伏見Kフロンティア」では、省エネ設計や環境配慮素材の調達などの取り組みにより、新築から解体までの工事に伴うCO2排出量を基本設計段階と比較して35%削減した。 - 脱炭素:東急建設の「低CO2建材検索システム」が一般公開、2025年3月末まで無料
東急建設は、これまで建材メーカーを中心に限定公開していた建材のCO2検索システム「CMCOS」を、建設事業者や設計者、施工者などを含む一般ユーザーに向けて公開した。2025年3月末までは無料で利用できる。