防犯に関する行動習慣をAI解析、セキュリティサービスの価格に反映 積水ハウス:製品動向
積水ハウスは、AI解析に基づく住宅向け防犯サービス「駆けつけホームセキュリティ」を開始する。防犯に関する行動習慣を反映した価格を設定することで、住まい手の防犯に関する行動習慣の改善を図る。
積水ハウスは2024年12月13日から、スマートホームサービス「PLATFORM HOUSE touch(プラットフォームハウス タッチ)」の一環として、AI解析に基づく住宅向け防犯サービス「駆けつけホームセキュリティ」の受付を開始する。防犯に関する行動習慣を反映した価格を設定することで、住まい手の防犯に関する行動習慣の改善を図る。防犯/セキュリティ対策は、ALSOKが担う。
異常検知を自動通報、ガードマンが駆ける防犯サービス
新サービスでは、窓鍵センサーや玄関ドア錠、火災警報器などのスマートホームサービス対応設備が異常を検知するとALSOKに自動通報し、ガードマンが即座に駆け付ける仕組みだ。利用者はアプリを通じて警備状態の確認ができる他、生活ログ分析により防犯行動に関するアドバイスが得られる。
サービス開始に伴う専用設備は不要で、初期負担なしで利用できる。月額料金は防犯行動の評価をもとに、「Normal」6160円、「Good」5610円、「Excellent」5060円(いずれも税込み)の3段階で変動する。
家の状態や行動習慣をAI解析、新サービス開発に活用
積水ハウスは2021年12月、PLATFORM HOUSE touchをリリース。これまで4100邸を超えるユーザーが利用し、同サービスを通じて多様なデータを蓄積している。
2023年9月には博報堂と共同で、「生活モーメント」(生活ログから見える住まい手の特徴的な生活意識が現れる瞬間)をAIで解析する取り組みを開始。解析の結果、生活習慣や行動の源泉(潜在意識)を可視化し、住人が認識している自身の防犯意識と実際の行動習慣に乖離があることを明らかにした。また、家族の在不在について高精度で予測できるようになった。
2024年春には、プラットフォームハウスタッチ利用者を対象に、アンケート調査と日記調査を実施するなど、「正解データ」の構築を進めている。
現在は、「防犯」以外のテーマについても検討を進めており、今後はサービス提供者と連携し、住まい手から預かった情報から価値を創造してサービスとして還元する「暮らし解析プラットフォーム」を活用し、さまざまなサービスを提供していく。
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