建設機械を無人レンタル、スマート端末で物理キー受け渡し レンタル会社向けに提供:製品動向
アースカーは、建設機械のレンタル会社向けに、スマートボックス端末を利用して建機を無人で貸し出すシステム「WORKCAR」の提供を開始した。人手を介さずに車両キーを受け渡しで車両キーを受け渡しでき、防犯と与信の観点から、これまで取引のある法人に利用を限定することも可能だ。
アースカーは2024年4月10日、建設機械のレンタル会社向けに、スマートボックス端末を利用して無人で建機を貸し出すカーシェアリングサービス「WORKCAR(ワークカー)」の提供を開始した。人手を介さずに車両キーを受け渡しできるシステムを構築し、導入企業は営業所のスタッフ配置を最小限に抑えられる他、深夜や早朝など営業時間外の対応も不要になる。防犯や与信面の観点から、これまで取引のある法人に利用を限定することも可能だ。
サービスを導入した建機レンタル会社は、営業所やステーションに、通信モジュールを搭載したスマートボックス端末を設置する。端末内に車両の物理キーを格納し、利用者は車両予約の際に通知された暗証番号を端末のタッチパネルに入力して車両キーを受け取る。返却時には物理キーに取り付けられたQRコードをスキャナーにかざしてスマートボックスを解錠する。営業所の営業時間に左右されることなく、自由な時間に建機の利用や返却ができるため、建機稼働率の効率化とコスト削減につながる。
車両の予約はアースカーのカーシェアリングサービス「EARTHCAR(アースカー)」のWebサイトで行う。予約からスマートボックスの操作まで、レンタルに伴う一連の作業をスマートフォンやガラケーなどで完結する。また、利用会社の管理画面で自社の車両の利用状況を確認でき、決済は1カ月分をまとめて請求書で支払う方式のため、管理も容易だ。
アースカーはこれまで、乗用車メインのカーシェアリングサービスを提供してきた。従来のサービスはスマートフォンアプリでドアロックを解錠、施錠するが、営業所で数十台規模の車両を保有する建機レンタルの場合、物理キーを受け渡す方式がコスト面で有利なことから、スマートボックスを使用したシステムを構築した。物理キーを受け渡すことで、アプリ登録などの手間を省き、車種や車両も問わず全車両の貸し出しが可能になる。
建機レンタル会社以外でも、建機メーカーや商社、販売店などが建機カーシェアリング事業に参入できる導入プランも用意している。
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