“バリアフリートイレ”でミリ波センサー見守り技術を実証 TOTOと富士通が2024年度末までにサービス化:製品動向
TOTOと富士通は、ミリ波センサーを用い、プライバシーに配慮した空間での見守り技術のサービス化を見据え、バリアフリートイレで長時間の在室や転倒などを検知する実証実験を2024年末まで行っている。
TOTOと富士通は2024年12月末まで、富士通の行動分析AI「行動分析技術 Actlyzer(アクトライザー)」を活用し、ミリ波センサーを用いて、特にプライバシーを重視する必要がある商業施設や駅構内のバリアフリートイレで、見守りの実証実験を行っている。誰もが安心して過ごせる公共トイレ空間の創出に向けて共同で取り組みます。
2024年度末までに、見守り技術のサービス化を目指す
公共トイレでのミリ波センサーを用いた見守り技術の実証実験は、神奈川県茅ケ崎市のTOTO「UD研究所(R&Dセンター)」と、神奈川県川崎市の富士通「富士通 F3rdLab」の2カ所で、2024年1月15日から2024年12月末まで有効性を検証する。
実験内容は、バリアフリートイレ内のミリ波センサーから、利用者の状態を反射波情報と点群データで収集する。両データでトイレ内の人の位置や姿勢をAIが推定し、長時間の在室や転倒などを適切に検知できているかどうかなどを確認して、評価と改善を行う。
富士通は、評価結果に基づき、見守り技術のさらなる改善を行い、2024年度末までにプライバシー配慮の見守り技術としてサービス化を目指す。
実証実験の背景には、バリアフリー化の進展で高齢者や障がい者、乳幼児連れが外出しやすくなったことに伴い、バリアフリートイレの整備状況や利用実態を把握し、今後の対応を検討する必要性が生じていることがある。一方、利用者のプライバシーを損なう観点から見守りや防犯を目的としたカメラの設置は難しい側面があった。
TOTOは1960年代から障がい者配慮の取り組みを開始し、2000年代にはユニバーサルデザインの取り組みをスタート。さまざまな身体状況の方の困りごとやニーズ、国や法令の動きに合わせた水まわり空間を提案している。
富士通は、独自のAI技術を用い、ミリ波から得られた情報を解析し、対象者の位置や高さなどから高精度に姿勢を推定。カメラを設置することなく、プライバシーに配慮しながら長時間の在室や転倒などの状態や行動を検出できる。
そこで、TOTOが持つバリアフリートイレ空間づくりの知見と、富士通が持つミリ波センサーを用いた見守り技術を活用し、カメラを使わずにバリアフリートイレ内の状況を見守る実証実験を共同で実施するに至った。
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