鉄筋結束ロボット「トモロボ」が第11回ロボット大賞の国交大臣賞に決定:ロボット
第11回ロボット大賞の国土交通大臣賞が、建ロボテックの鉄筋結束ロボット「トモロボ」に決定した。トモロボが軽量かつ安価で効率がよくユーザーにとって使いやすいロボットであることや、建設現場の労働力不足に対し省人化/生産性向上で貢献するという社会的なインパクトの大きさなどが評価された。
国土交通省は2024年9月11日、第11回ロボット大賞の国土交通大臣賞を、建ロボテックの鉄筋結束ロボット「トモロボ」に決定したと発表した。トモロボが軽量かつ安価で効率がよくユーザーにとって使いやすいロボットであることや、建設現場の労働力不足に対し省人化/生産性向上で貢献するという社会的なインパクトの大きさなどが評価された。
トモロボは、鉄筋の交点を針金で緊結し固定する結束作業を、人に代わって行う協働ロボットだ。鉄筋結束作業では1人当たり6000〜8500カ所を担当するため、作業員は長時間にわたって腰を曲げた状態で作業を行う必要がある。
トモロボは、市販の手持ち電動工具をセットするだけで、鉄筋工事の単純作業である結束作業を自動化する。国内外の特許も取得しており、販売やレンタルを通じて多くの現場で導入実績がある。今回のロボット大賞では、鉄筋結束作業における作業員の身体的な負荷を軽減し、作業環境の改善に貢献していることなどが、高く評価され受賞となった。
また、優秀賞には、社会インフラ/災害対応/消防分野で三菱重工業などが開発したプラント自動巡回点検防爆ロボット「EX ROVR(エクスローバー)」が、ビジネス/社会実装部門でugoの業務DXロボット「ugo(ユーゴー)」などが選定された。
ロボット大賞について
「ロボット大賞」は、日本のロボット技術の発展や社会実装を促進することを目的に、ロボットの先進的な活用や研究開発、人材育成などのさまざまな分野で優れた取り組みを行った企業などを表彰する。第1回は2006年度で、2008年度からは隔年で開催。国交省、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、日本機械工業連合会との共催により実施している。
第11回ロボット大賞には85件の応募があった。この他、経済産業大臣賞としてファナックの世界最小の大型加工機「高精度本格加工ロボット M-800」、総務大臣賞として自律移動機能を備えた搬送ロボットシステム「カチャカ」などが選定された。
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