道路のマーキングロボや芝刈りロボにも活用、NTT Comの高精度測位サービス:メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024(1/2 ページ)
NTTコミュニケーションズは、RTK-GNSS測位技術を活用した手のひらサイズの端末による高精度位置情報サービス「Mobile GNSS」を2023年10月から提供している。地上にある基準局と衛星から取得した位置データを利用し、誤差数センチの高精度の測位を実現し、建設現場のデジタルツインをはじめ、舗装工事のマーキング自動ロボットやAI搭載の芝刈りロボットにも使われている。
NTTコミュニケーションズは「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024」(会期:2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)で、NTTドコモのRTK-GNSS測位技術を活用した「docomo IoT高精度GNSS位置情報サービス」と専用の超小型GNSS受信機、通信サービスをワンパッケージにした「Mobile GNSS」と、GNSS位置情報サービスを活用したパートナー企業のサービスや製品を展示した。
地上にある基準局を使って、衛星から取得したデータを補正
NTTコミュニケーションズのMobile GNSSは、NTTドコモの高精度に位置情報を補正するdocomo IoT高精度GNSS位置情報サービスを基礎技術として用いている。衛星測位でスマートフォンでも使われる一般的なGNSS(GPS)は、天候や遮蔽(しゃへい)物などが原因で電波に乱れや反射が生じ、数メートルの誤差が発生してしまう。そこでNTTドコモはRTK-GNSS測位方式を採用し、衛星から取得した位置情報だけでなく、地上にある基準点の位置情報を照合して位置情報を補正している。そのため、誤差は数センチに収まる高精度の測位が実現する。
「docomo IoT高精度GNSS位置情報サービス」そのものは形のないソリューション。ブースでは、docomo IoT高精度GNSS位置情報サービスをモバイル化した「Mobile GNSS」の超小型端末と協力会社の各種サービスを展示 BUILT編集部撮影
そもそもRTK-GNSSでセンチ単位の高精度測位が可能になるのは、地上に設置されている基準点の位置情報(XYZ座標)が正確だからだ。衛星測位で誤差が生じるのは、衛星からの電波が天候や遮蔽(しゃへい)物などの影響を受けるためで、測位したい場所に設置する機器でも同様の事象が発生する。
RTK-GNSSでは、正しい位置情報が既に確認されている地上基準点を、測位したい場所の位置情報に当てはめる。そうすることで測位地点の位置情報が補正されるので、正確な測位が可能になる。
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