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災害時に必要なのは“情報収集力” 1000km飛行のVTOLドローンを開発したテラ・ラボの「災害対策DX」Japan Drone 2024(2/2 ページ)

気候変動や脆弱な都市インフラを背景に、世界規模で自然災害による被害が拡大している。日本では国土強靱化基本法を制定し、国や地方自治体で防災/減災の対策が講じられている。テラ・ラボはこうした状況を踏まえ、「広域災害情報支援システム」の構築を目指すベンチャー企業だ。

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垂直に離着陸し、洋上を1000キロ飛行できる無人航空機を開発

 テラ・ラボが力を入れて開発するドローンが、垂直離着陸(VTOL)が可能な固定翼機「テラ・ドルフィン VTOL」だ。

 固定翼タイプのドローンは、長距離を飛行するため、1回の飛行で広範の状況を把握し、遠方の被災地もカバーできる。しかし、固定翼機の離着陸には滑走路が不可欠で、一般的な飛行場ではドローンを飛ばせない法律があるため、運用面で制約がかかる。

 テラ・ラボのテラ・ドルフィンは、固定翼と垂直離着陸の両立で制約を受けない。滑走路がいらないだけでなく、飛行速度を速くも遅くもコントロールできる特徴がある。テラ・ドルフィンの最高速度は時速250キロ(巡航速度は時速100〜150キロ)だが、現地で撮影する際は時速70キロ程度の低速で飛べる。そのため、災害発生後には目的地に急行し、現場の状況を詳しく収集することが実現する。

 燃費性能も良く、1回の航続距離は1000キロに設定されている。風にも強く松浦氏は、「風が強い洋上1000キロを飛べるドローンは、日本はもとより海外でもテラ・ドルフィンしかないと自負している」と語る。

 他にも、衛星通信の機能を備え、世界中のどこでも使える点、ジェットエンジンや電動化にも対応するマルチパーパスプラットフォームで設計されている点、各種のセンサーを搭載して多彩なミッションに対応可能な点などの優位性も紹介した。

テラ・ドローンの展示ブース全景。広いスペースに翼長8000ミリの大型機を含め4機のドローンと地上支援システムを搭載した車両を展示
テラ・ドローンの展示ブース全景。広いスペースに翼長8000ミリの大型機を含め4機のドローンと地上支援システムを搭載した車両を展示

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