BIM/CIMやPLATEAUの需要で、パスコが直下視7.5cm解像度の位置情報含む3Dデータ提供:GIS
パスコは、BIM/CIMや国土交通省が主導する都市の3Dモデル化「Project PLATEAU」などで、リアルなシミュレーションに使えるフルテクスチャー付き3Dモデルデータの提供を開始する。初弾は関東の一部エリアのデータを対象とし、順次日本全国に拡大していく。
パスコは2024年8月1日、高解像度の航空写真から生成した3Dモデルデータの販売を開始した。これまでパスコは森林や河川、砂防などの国土管理、都市計画、道路や上下水道の施設管理など、行政業務を中心地形情報の3Dデータ化やデータ活用を進めていたが、今回、民間分野で活用の幅を広げる目的で高精度な3Dモデルデータを提供するに至った。
民間事業者に、BIM/CIMや各種シミュレーションに使える3Dモデルデータ提供
3次元モデルデータは、Vexcel Imaging(ベクセル イメージング)との契約に基づきパスコが撮影した超高解像度の航空写真をもとに3Dモデル化。高精細な航空写真を提供する「Vexcel Data Program(ベクセル データ プログラム)」日本版に、フルテクスチャー付きの3Dモデルデータとしてラインアップした。
Vexcel Imagingの3Dモデルデータは、既に世界60都市以上で整備されている。日本版のデータには、パスコが撮影した直下、前方、後方、左右5方向の直下視で7.5センチの地上解像度を有する航空写真を使用している。そのため、Cesium 3D Tiles形式の高精度かつ高精細な3Dモデルデータの提供が可能になる。
建物の外観がリアルに表現された3Dモデルデータは、眺望や鳥瞰シミュレーションなどに違和感なく使用できるだけでなく、都市の開発や再開発、商業施設建設などの建築分野や公共分野、ゲームやVRなどのエンタテイメント領域でも活用が見込める。
今回、販売するエリアは、東京、神奈川、千葉、埼玉などの一部地域。今後は、札幌、大阪、京都、神戸、広島なども順次エリアを拡大していく。
国土交通省では、2023年度から直轄の業務/工事で「BIM/CIM原則適用」を開始している。また、「Project PLATEAU(プロジェクト プラトー)では、官民の3Dモデルデータの活用と普及を進めており、これから活用が盛んになると予想されている。
一方、専門技術を持たない事業者が3Dモデルデータを整備するには、データの収集やモデル作成などで多くの費用や高い技術が必要となり、広域での整備は難しいかった。パスコが提供する3Dモデルデータは、高精細かつ高精度な位置情報持つ航空写真をベースとしているため、高精細でリアルな3Dモデルデータを広域で利用できる。
主な用途としては、BIM/CIMモデルとの重ね合わせ、都市開発や再開発のシミュレーション、都市計画などの住民とのxRを用いた合意形成、防災や減災の被害シミュレーション、河川や港湾、文化財などの管理のための現況シミュレーション、ドローン配送や自動運転などの道路や物流シミュレーションなどが想定されている。
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