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2時間耐久仕様の耐火集成木材「燃エンウッド」、4社と公共工事向けライセンス契約:耐火
竹中工務店は集成材メーカー4社と、公共事業向けの耐火集成木材「燃エンウッド(2時間耐火仕様)」の製造/販売ライセンス契約を締結した。
竹中工務店は2024年8月1日、集成材メーカーの齋藤木材工業、藤寿産業、銘建工業、山佐木材と、公共/公益的な事業主が発注する工事(公共工事)に使用される耐火集成木材「燃エンウッド(2時間耐火仕様)」の製造/販売ライセンス契約を締結したと発表した。今後は4社を通じて、竹中工務店が設計/施工に携わらない建物でも利用できるようになる。
竹中工務店と齋藤木材工業、藤寿産業、銘建工業は2017年、山佐木材は2019年に、公共工事における1時間耐火仕様の燃エンウッドの製造/販売ライセンス契約を締結。4階建て、もしくは建物の最上階から4層までを木造にする建物への導入を進めてきた。今回、2時間耐火仕様に関するライセンス契約を交わしたことで、適用範囲が拡大し、14階建て、もしくは建物の最上階から14層までを木造とする建物への導入が可能となる。
断熱/吸熱効果で高熱から躯体を保護、2022年には3時間耐火仕様の開発も
竹中工務店の燃エンウッドは、純木の荷重支持部、モルタルと木で構成された燃え止まり層、純木の燃え代層の3層で構成される耐火集成木材。火災発生時でも燃え代層の断熱効果と燃え止まり層の吸熱効果により、荷重支持部の柱や梁(はり)を火災の熱から守る。2022年には、燃エンウッド(3時間耐火仕様)の柱と梁を開発し、「国土交通大臣認定 耐火構造部材(3時間)」を取得した。
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