建設機械の車両管理システムを日立建機が開発、数百台規模に対応 北米で提供開始:製品動向
日立建機は、数百台の建設機械を保有する中〜大規模の建設業/土木工事業、レンタル会社向けの車両管理システムを開発した。2024年7月15日から北米市場での提供を開始している。
日立建機は2024年7月16日、数百台の建設機械を保有する中〜大規模の建設業/土木工事業やレンタル会社向けに、フリートマネジメント(車両管理)システム「Solution Linkage CONNECT(ソリューションリンケージコネクト)」を開発したと発表した。ユーザーはスマートフォンやタブレット、PCを介して、複数の施工現場で稼働する建設機械の情報を効率的に閲覧、管理できるようになる。
2024年7月15日から北米市場での提供を開始し、今後、欧州や大洋州などに順次拡大する。現時点では、日立建機製の建設機械を対象としているが、ISO準拠のテレマティクスデータを利用するため、将来は他社の建設機械も管理対象に含める予定だ。
Solution Linkage CONNECTは、ユーザーが保有する建設機械の稼働データを集計し、機械全体/工事のプロジェクト/施工現場単位などのグループごとに管理できる。また、稼働時間やアラーム発生状況などの稼働状況に加え、燃料消費量やCO2排出量なども視覚的に分かりやすいグラフや表で表示し、管理/分析が可能だ。
グループごとの管理では、機械の稼働情報を一覧で確認できる他、地図上で指定した特定エリア内にある機械の稼働情報の分析も可能だ。建機の稼働率を現場ごとに簡単に比較し、最適に配置することで、工期通りの施工が実現する。また、システム上でのレポートの作成、ダウンロードにも対応する。
さらに、機械の稼働データに基づいて遠隔監視で建設機械を見守るサービスソリューション「ConSite」やサービス用パーツカタログ、保有機械管理システムなど、日立建機の既存のシステムとも連携する。ConSiteから建設機械の異常を知らせるアラームが発報されると、Solution Linkage CONNECTがアラーム情報を取得してダッシュボードに表示し、ユーザーはサービス用パーツカタログと共に、アラームが示す対処方法をその場で確認できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第6回 建設・測量生産性向上展:中国建機メーカー「柳工」が日本進出 環境負荷ゼロのBEV建機で運用コストも削減
中国の建設機械メーカー「柳工(LiuGong)」は、「第6回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」に初出展し、100%電気で稼働するBEV建機で日本市場への進出を表明した。 - 産業動向:複数の油圧ショベルを自律運転、計画から実行まで一元管理する自動施工システムを開発
イクシスと前田建設工業は、複数台の油圧ショベルの自律運転による自動施工管理システムを開発し、日立建機とともに実用性を確認した。 - 製品動向:日立建機グループ初の土工用振動ローラ、経験の浅いオペレーターでも使いやすい仕様
日立建機グループの日立建機カミーノは土工用振動ローラ「ZC120S-6」を開発した。土工用振動ローラの開発は日立建機グループでは初となる。ZC120S-6は、日本国内で2021年4月にレンタルを開始され、2022年度の販売を予定している。 - 第3回 建設・測量 生産性向上展:日立建機の新型ICT油圧ショベル、上下左右・深さ・高さの稼働エリアを管理可能
日立建機は、従来機より情報化施工の機能を増やした新型ICT油圧ショベル「ZX200X-7」を2021年10月1日に日本国内で発売する。 - 新建機:PATブレードの3Dマシンコントロール機能を搭載したミニショベル、全旋回動作が可能
日立建機は、2018年に販売・レンタルを開始したミニショベル「PATブレード3Dマシンコントロール仕様機ZX35U-5B」の機能を継承しつつ、常時360度の全旋回動作を可能としたミニショベル「ZX40U-5B」を2021年7月に発売する。 - 建機自動化:日立建機が自律型建設機械の開発を容易にするシステムプラットフォームを開発
日立建機は、建設業で生産労働人口の減少や熟練技能者の高齢化が進行し、生産性の向上が喫緊の課題となっていることを踏まえて、解決策の1つとなる自動建機の開発を容易にするプラットフォームを開発した。