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マンションの建て替え価値をWebマップで見える化 東京・赤坂限定で先行リリースリノベ

スマート修繕は、マンションの「建替バリュー」がマップ上で分かる無料のサービス「スマート建替」を2024年秋にも提供開始する。建て替え、耐震補強工事、修繕工事などの工事支援サービスも含む、包括的なバックアップで、老朽化マンションの維持再生に貢献していく。

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 ディー・エヌ・エー(DeNA)グループで、マンション・ビルなどの大規模修繕などの見積や工事支援サービス「スマート修繕」を展開するスマート修繕は2024年7月10日、簡単にマンションの建替バリューが分かる新サービス「スマート建替」を東京都赤坂エリア限定で先行して開始したと発表した。エリアをより拡大した正式版は今秋の予定で、現在は事前登録を受け付けている。

サービス開始の背景には、進まない旧耐震マンションの建て替え

 旧耐震基準のマンションは、地震時の倒壊リスクなど、防災面で大きな課題がある。また、国土交通省が令和元(2019)年に行った調査によれば、全国で築40年を超えるマンションは81.4万戸、20年後には366.8万戸と、老朽化マンションは今後急増する見込み。

 そのため、建て替えが望ましく、国は建て替えにかかる要件を緩和するなどの対策を講じている。

 ところが、所有者の知識不足や意思決定の難しさなどで建て替えの検討はなかなか進まず、実現したマンションは多くない。東京都内では、旧耐震基準のマンションは約1万2000棟にも及ぶが、2022年までに建て替えが実現したのはわずか178件しかない。

高経年マンションストックの増加
高経年マンションストックの増加 出典:国土交通省「マンション政策の現状と課題」

 そこで今回、築40年以上のマンションが比較的多く、スマート修繕の本社からも比較的近い港区赤坂エリアに限定し、スマート建替を先行リリースした。

 スマート建替は、マンションの建替バリューがWebサイトのマップ上でマンションのアイコンをクリックするだけで分かる無料のサービス。建て替えるべきか、耐震補強工事をするべきか、修繕工事をするべきか、それぞれの経済性の評価、検討プロセスはどうしたらいいのかなど、老朽化マンションを巡る悩みを解決する一助になるサービスと位置付けている。

マンションの「建替バリュー」をデータで可視化、建物再生の一助に

 Webマップ上では、マンションの価値を示す建替バリューを表示。検索窓からはマンション名で調べられる。アイコンは、バリューの高さ(高/中/低)で色分けされ、それぞれのアイコンをクリックすると建替バリューや建物の詳細情報が分かり、建て替えに伴う経済性や所有者の負担度を見える化される。

マップ上にマンションの「建替バリュー」を表示
マップ上にマンションの「建替バリュー」を表示 出典:スマート修繕プレスリリース

 建替バリューは、マンションの現在価値と建替後価値を比較し、数値化している。数値は、スマート修繕が、大手建替デベロッパー複数社からヒアリングして構築した独自の計算式を基に算出。ベースとなるデータは、建て替え前後の推定延べ床/専有面積(関連する規制、隣接道路の道路幅員など)、建て替え前後の推定流通単価、建て替えに伴う推定解体/新築費用、販売経費、各種申請などの推定諸費用で、独自のアルゴリズムで試算している。

「建替バリュー」で、建て替えに伴う経済性や所有者の負担度を見える化
「建替バリュー」で、建て替えに伴う経済性や所有者の負担度を見える化 出典:スマート修繕プレスリリース

 建替バリューの算出方法は、建て替え前の建物のバリュー(延床面積×流通単価)と、建て替え後の建物のバリュー(推定延べ床面積×流通単価−解体新築費、販売経費などの諸経費)との比率。

 別途サービスのスマート修繕では、意思決定に即した事業者の紹介や見積もり取得、比較選定などの伴走支援も提供する。そのため、建て替え、耐震補強工事、大規模修繕や給排水工事などの修繕工事のどの選択肢を選ぶべきかを決定する一助として、羅針盤となることを目指している。

スマート修繕の概要
スマート修繕の概要 出典:スマート修繕プレスリリース

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